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第97話

さっき触れた場所が、熱く熟れてしまってる。 好きな気持ちがこんなにも自分を焼き付けてしまうなど想像も付かなかった。 “ りお、明日...行く” クロの、言葉をためたような言い方が、真実味をオレに植え付ける。 「え?」 オレの都合のいい解釈に聞こえたかもしれない、そう思ってた時には声に出てた。 “ 明日、りおの...そこの家に帰るから、シチュー食いたい” クロの言葉に胸が熱くなる反面、やっぱりあのシチューを捨てた時の感情はオレの中にまだしっかりと残ってて... 「前は2時間で戻るだったのに、今度は翌日か?ほんとに戻るかもわかんねぇのに、作れっちゅーの?」 あー嫌味だな...自分でも言いたくないのに勝手に口が開いてしまうんだ。 “ 今度は、りおの所にちゃんと帰るから...18時、もし居なくても待つ“ それだけ言うと電話は切れた。 もっと話していたかったけど、明日...クロがこの家に戻る。 オレはいそいそと、キッチンのある玄関の方へ向かうと、言われるがままに明日のシチューの材料あるかの確認をしようとしてた事に衝撃を受けた。 だって、来るのを今から楽しみにしてるみたいじゃないか! でも、やっぱり冷蔵庫開いてしまうんだ。 足りなかったのは人参と、カボチャのシチューもいいな。 あーなんかもうダメだ。 顔のニヨニヨが止まらない...夏樹がいなくて良かった。 チェック入れてから、ベットの上の戻って悶絶...明日だ、やっとだ... ベットをゴロゴロしてたら... ドスンと音を立てて落ちてしまった。 「痛てぇ...」 一人で何やってんだと、悲しいのに嬉しい。 こんな気持ちになったことなくて、胸の辺りをとりあえず触ってみる。 「何もねぇよな」 あるわけが無い。 解ってるのに胸の奥が誰かに擽られてるような気持ちになる。 明日は仕事で帰りは早番だから、16時には終わる...そして、今日との休みの交代だったから、明後日は休みなのだ。 邪念が胸に渦巻いて、忘れるべく布団に入った。 もぞりと、身体を捩らせて甘く息を吐き出す。 刺激なんて、たったの...あの一瞬で得られるものなのだと知った。 でも、今それで出して楽になるよりも... クロと、アイツに...出して貰う方が何十倍も気持ちいいはずだ。 そんな(よこしま)な思い まだ、たった1時間それしか過ぎてない時間を睨みつけながら、落ち着かない下腹部を気にしないように眠りに付いた。

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