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第100話
そしたら、頭をポンポンと柔く叩かれてから、少し離れてやっと互いの顔をみた。
「りお、相変わらず、綺麗だな...」
ぅ、嬉しく無いぞ、綺麗なんて...
くそっ、嬉しく無いけど...
「っ、クロ、だって...カッコイイ」
真っ赤になった...耳まで熱が上がってるのに気がつくと恥しくて仕方ない。
こいつとオレ、セックスしたんだよな?
なんで今更...こんな恥ずかしいんだよ!
「し、シチュー出来てる」
話しそらさなきゃ...気持ちがいたたまれない。
「あ、うん」
そう言って、玄関なんかで抱き合ってた身体をやっと離した。
家にいた時は、つんつるてんのオレの服を着てたのが当たり前だったクロが今はちゃんとしたサイズに合ってる服装で、それがまた似合ってて...
あーもうダメだ。
好きすぎる。
トレンチコートを脱いだクロは、黒とグレーの斑のタートルネックニットにジーンズ姿で引き締まった身体が...
やべぇ、鼻血出る。
「りお、めし」
「...お前はオレの亭主かよ」
って、ポロっと零れた亭主にさえ恥ずかしさが...やべぇ、下手な事言えない。
「りお、可愛いりお」
そう言ってキッチンで、シチューグルグルしてたオレを背後から...
包まれた。
「か、可愛くねぇ...」
「俺、りおの亭主になりたい」
「っ......」
相変わらずグイグイ来るのにあの時とは何もかもが違って、オレは無言でシチューをかき混ぜた。
どうすれって言うんだよ!
オレ...なんでこんな緊張してんの?
「りお?芋崩れる...」
高速で掻き回してた手をやんわり捕まえられて止められた。
「あ、わ、悪ぃ...いま出すから」
「体調でも、悪い?」
心配掛けてりゃ、世話ないよな。
「いや、ちょっと久しぶりのクロに緊張してんだって、その内治るか...んんっ!」
荒々しく、肩を引かれて...キス。
あぁ...舌が火傷してしまいそうだ。
はっ...と、短く息づいてそろりとクロを見たら口に手を当てて赤くなってた。
「りお、ごめ、飯っ...止まらなかった...」
頭まとめてから話せよ。
「ん、ほら部屋いけよ...飯食おうぜ」
「おぅ」
二人でシチュー持って並んで座った。
広い部屋の1角で、クロと二人で過ごす何回目かの夜。
一緒にいた時と違って凄く緊張してるし、なんかクロまで少し態度が変わった。
キスしてから、クロはなんだか緊張感を持ってしまったから。
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