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第103話

とりあえず二人で顔を見合わせて... 「ぶっ、夏樹...やってくれる。」 「変態は、健在だな」 クロ、やめてやって。 夏樹もかなりオレ達のことで、泣いたり手伝ってくれたのだから。 「クロ...もっかい、抱っこ」 オレが両手広げたらクロがオレの体を包んでくれる。 あぁ、暖かい。 気持ちはもう、ちゃんとクロを認めてて、嬉しい以外の感情は無かった。 「りお...今日、泊まっていいか?」 ぎゅうぎゅう抱き合ってた時にクロに問われて、オレの胸は違う期待が芽吹く。 男だから、仕方ねぇんだよ! 「...ん、良いよ。」 そう伝えたらクロがキスを降らせてくる。 年下の癖に、カッコイイ。 「りお...抱きたい」 夏樹の花束を片手に、その言葉に息が詰まる思いがした。 オレも、同じだから...。 「...オレも、クロを感じてぇ」 そう答えたら、オレの体が急に強く抱きしめられた途端に浮遊感を感じる。 「うわっ、ちょクロ!」 クロのやつ抱き締めたままでオレを持ち上げて足が床に付かずにプラプラ。 「抱いていいんだろ?」 その言葉になんだか楽しくなってオレはクロに1度降ろしてもらった。 「ほら、抱き上げんならこっちのが楽だろ?」 そう言って両手をクロの首裏に回してオレは両足をクロの太ももに巻き付けてコアラのようにへばり付いた。 「ヤバい...甘えてくるりお、可愛い...」 「これからは、クロのオレだろ?」 「ん」 短く会話が成されると、クロが歩きにくそうにしながらオレの尻を支えて、手から花束を取ると、デーブルの上にバサりと豪快に置いてオレをベッドまで運ぶと、その体勢のままでベッドに倒れ込んだ。 「うわっ、ちょクロ...」 いきなりの体勢の変化に驚いて声を上げたら、クロが身体を起こしてオレの腹裾から手を侵入させて来て、ビクッと身体を震わせた。 「すげぇ久し振りだ、このつるつるの肌」 クロに言われると恥ずかしくなる。 昨日...夜中にもし、万が一...こうなった時のためにと、恥ずかしながら全身にクリーム塗ったくったんだよ。 口もちゃんと、リップ塗って完全に触られても良いようにと、手入れした...。 恥ずかしくても、やっぱりこういうのってオレの心を休めてくれるんだよ。 「りお...オレ止まらない自信しかない...」 「ばか、誰も止めろなんて言わねぇよ 」 そう、誰も言わないが、こいつが超絶絶倫男なのを浮かれてて完全に失念してた。

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