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第25話
「おいおい、随分色っぽい声出すんだな」
片側の口角だけ上げる、不思議な笑い方をする。ハッキリ言って気持ちが悪い。
もう恐ろしさを通り越して、イラつきが彼の一挙手一投足にケチをつけたくなってきていた。
体もしっかりと反応してきてしまったのが悔しいせいもある。
「うるっ……せぇ」
という声もちょっと震えてるから、あまり説得力もない。
他人に、男に触られる心地よさを知っている俺の下半身は、彼に触れてもらうことを無邪気に喜んで、手のひらの中で踊らされていた。
「素直じゃないな、こんなに勃ってんのに」
8割強ってとこ。フルではない。
彼はさらに刺激を加え続けた。先端のかさの部分に少し爪を立てたり、溝に沿って擦ったり。それでも決して舐めてこない。
それでも8割強の状態には十分な刺激で、大して経たないうちにフルに勃たされた。我ながらホント不甲斐ない……。
「ちょと、待っ、て」
弱々しく言ってる場合じゃないのに。
体が跳ね上がるのにつられて腕も跳ね上がる。ヒリヒリしてきた。擦れて皮でもむけてるかも。
「かわいい」
じっと見つめられる。ちょっと腰が浮いてくる。ヤバい、イくかも。この状況でイかされたら、さすがになけなしのプライドが傷つく。
「あー、すげぇ、ほら、濡れてきた」
そのまま俺の先っぽに指先をつける。指を上げると、粘っこい糸が引いてるのが、わずかな部屋の明かりを反射して暗闇でも見える。
そんなの見たって全然興奮しないけど、女相手に俺もたまにやるわそれ。
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