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第26話

「もう少ししたら、イくんじゃね?」 手の動きが、より丹念になる。根元から丁寧になぞられ、特に先端部分を重点的に攻められる。 「ぁ、もぉ……っ」 本当に情けない。 襲われてる俺が何でイかされんだよ。 好きなようにいたぶって、さっさと解放されたいのに。 全然わからなくて、モヤモヤとイライラが頂点に達したとき、体が意思を裏切った。 奴の手の内に、俺の体液が散っていた。 息も整わず、しかも興奮も一気に冷めて、いよいよここにいる理由がわからなくなる。 「うわすげぇな……」 彼は、手の中をしげしげと眺めている。 「他の男のなんか触ったことねぇよ」 指先に絡めて伸ばし、感触を楽しんでいるようにすら見える。 単に他人の精液見たかっただけなのかとすら思ってしまう。 「そんなの、さっさと、捨てろよ」 絶え絶えの息の合間に言うものの、拭う素振りもない。 「捨てるわけないだろ、これから使うんだから」 言いながら、俺の脚を強引に開かせ、ケツの穴を天井に向かせるように組み敷いた。 腹が圧迫され、腰も強引に曲げられて苦しい。体硬いからマジキツい。 顔を歪めて大きく咳をするが、謝るでもなく俺のケツの上あたりから顔を覗き込んでくる。 「潤滑剤にするから」 いいアイディアだろ、と言い微笑む。全っ然いいアイディアじゃない。 そのまま躊躇なく穴に触れてきた。

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