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第33話
彼はしばらく黙って、鼻から太い溜息を吐いた。
「んー……どうしようかな」
そのまま、背筋から広がったケツの穴の縁まで、すっと指で撫でていく。
「じゃあ」
繋がったまま俺の腕に触れる。手錠の片方が外された。
「これならどうだ?」
言いながら、外された腕を掴まれる。ぐっと引っ張られ、半分体をそらすような体勢を取らされる。
「うぇっ」
これはこれでキツイ。手錠に繋がれたままの腕で体のバランスを取った。
「この眺めゾクゾクする。お前スタイルいいから、背中から腰にかけての線すごくそそるわ」
褒められてるんだろうけど、全然素直に喜べない。そらされた背に沿って、舌が這っていく。
「なんで学生の時気づかなかったんだろうな、こんなエロい体だったなんて」
そして、一気に奥まで突き上げてきた。
「あぁっ!」
目を見開く。雄叫びに近かった声は、さすがに夜の部屋に響いた。
「おい、静かにしろ。バレるだろ」
さすがに彼に同意した。バレたらマジで一大事だ。
唇を噛んで口をつぐむ。そのまま突き上げられ、必死で声を殺す。
ギシギシとベッドが揺れる音ばかりが、静かな部屋に響いた。
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