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第2話
※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。
【side雪也】
とりあえず得意の打ち手で静まらせたはいいが少し焦る。
静かになった全員は最前列の真ん中に陣取る目をつぶった金髪の男子を見つめている。
かなり整った顔立ちで気怠げにノートを開いたその少年がどうやらリーダーらしい。
履いている靴のラインが青いことからそのリーダーが高3なのがわかった。
リーダーは面倒くさそうに背もたれから身体を起こして後ろを振り向き当然のように「聞け」と言った。
それだけで場は静まりかえり続けどうやら生徒は雪也の話を聞いてくれるようだった。
無事終わったことに安心しながら署に戻った雪也は先輩たちの心配顔で迎えられた。
彼らは口々に「大丈夫か!?」「銃は!?」「怪我してないか?」「目つけられなかったか?」と言ってきた。
その様子を少し面白おかしく思いながらも大丈夫ですよ、と返す。
先輩たちは全くダメージを受けてなさそうな雪也を見て確かに大丈夫そうだな、と不思議そうな顔をする。
代表してその場で一番雪也と仲の良い同僚である黒澤翔が
「ほ、本当に何もなかったのか…?喧嘩とかも?」
と聞いてきた。雪也が頷いたので先輩たちは一気にどよめいた。
すごいな、とか初めてだぞ、とか。
でも雪也はこの成功の原因が何かわかっていた。
最初に聞いていたとおりあのリーダーが聞いてくれ、指示を出してくれたからこそなのだろう。不良たちのリーダーにしてはそぐわない美しさと真面目さを兼ね備えていたように思う。補導歴はなく(というのもあんなにイケメンを補導したら覚えているはずだからだ)飲酒や喫煙、タトゥー等もしていなかった。
天桜高校にいるのが不思議なくらいだ。
名前を聞きそびれたな、と思いながらも雪也は報告書と通常業務、つまりパトロールに戻っていった。
【side奏音】
チッ。無意識に舌打ちが溢れる。
どんなに顔の良い女を抱いても面白くないし気持ちよくない。
そもそも奏音が抱きたいと言って抱いているわけではないのだ。取り巻き達が奏音とヤらせてやるからヤらせろなんて言ってそれに乗っかったばかな女たちを抱いているだけなのだ。
無論奏音はこのばかで可愛い女たちを哀れには思うので酷くしたりはしない。
優しく甘やかして蕩けさせて抱いてやる。
ただ、それだけだ。
奏音はまったく気持ちよくないしモノも無理矢理たてているような状態だ。
自室でイライラする思考をどうにか切り替えたくてあの警察官、確か美里雪也という警察官のことを考えてみた。
あんな感じの人が先生だったら天桜も少しはましになるんじゃないだろうか。
そんなことを考えていたら不意に奏音は自分の下腹部の変化に気付いた。気付いてしまった。
「嘘だろ…」
どうにか熱を収めようとしてもますます熱くなっているのを感じ呻きながら奏音は自分のを扱いた。
なんでこうなったのかわからない。
直前までセックスのことを考えていたからだろうか…?
でもシても気持ちよくならないセックスのことをオカズに抜けるかと言われれば微妙なところだ。全くもって謎でいきなりだったがそこは若さと性欲ですぐに処理を終わらせてささっと片付けて何事もなかったように音楽を聞き始めたがその耳は少しばかり朱に染まっていた。
【side????】
雪也…愛しい雪也。
誰か好きな人が出来たの…?
なんだかとても柔らかい目をしていた。
もしそうならその相手を、雪也が好きになった娘を見つけ出して殺そう。
雪也は私を見るべきなんだ。
そうだろう?
可愛い可愛い私の雪也。
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