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日常にはスパイスが必要ですが
ここに来て早くも一週間がたった。
ここで感想を一言。
めっちゃ楽しい!!。
庭の畑仕事はすでに用意されてから色々野菜ができている、つまり後少し待てば楽しい楽しい収穫!。
お家の地下に調合室や鍛冶室を作ってあったのでそこで色々なものを制作、それ見て感動したりと充実した生活を送れている。
それに何より本棚にぎっしりと詰まった本。
ゲーム時代で得たお金(通貨は世界共通、価値の高い順から金貨、銀貨、銅貨と言う手のひら大のコイン)を使って買ったためかなりの数がある。
何を入れたか全く把握していない本棚を背が低くて上まで届かないから脚立を使ったりして適当に漁っていると、地図やこの世界の昔話などがが出てきた。
正直この世界のことが全然わからなかった(ゲームとは違うのが世の常だしね!)から買っておいて良かった。
世界や周辺の地図は少し不便だったから、自分の居場所を知れてなおかつ目的地までの到着時間もわかるカーナビみたいな道具に改造した。
昔話はちょっと僕には早いかな?っていうくらいグロ描写やバッドエンドに終わるものが多数存在………。
しかもページ数で言ったら五千ページを軽く超えるほどの超大作、それしかすること無かったとはいえ読むのが大変だった………。
ただ、生活は文句なしに充実してるのはいいが。
人が恋しい。
一人が好きだけど流石にここまで静かだと寂しくなる。
誰かと会話したいな~。
家の近くを通るモンスターしか話し相手いないもん、病んじゃうね……………。
「あっそうだ……あれがある」
思い出したように僕はアイテムボックスに手を突っ込む。
そしてボックスの口より大きいためちょっと出すのに手間取ったが頑張って目当ての物を引っ張り出す。
僕が今取り出したのは「透視の水晶」
持ち主が見たい場所の映像を観れる優れもの、
作るのに魔石を数十個使いなおかつドラゴンの目玉と言う激レア素材を4個も使用しなければいけないため、かなりの手間と出費がかかったね。
(ドラゴンを倒す時には高酸性の薬品をぶっかけて目玉以外をドロドロに溶かしてとどめは猛毒ダガーでブスッ☆と一突き)
「ん~?じゃあ、森を抜けた所の風景を見して頂戴」
近くを知りたいからまずはそこからだ、と僕が水晶に向けて言いジッと見つめてるとだんだん水晶の中の様子が変わってきた。
見渡す限りの……………人?。
砂ぼこりが立ち込め、剣と剣がぶつかり、それを扱う人達の顔は真剣そのもの、音までは拾えないが、なんか戦ってる様子、そして何人か倒れて出血大サービス状態になってるし、白目むいてるから生きてるようには見えない。
「もしかして…………何かの戦争ですかい?」
早速ゲームじゃ無い点が出てきた………………。
このゲームには国が多数存在しているから現実的に考えて戦争が起こってしまうのは仕方ない。
でもNPC同士で何かいざこざが起きるのはストーリーか、ゲームのイベントくらいしか無かったはずだ。
つまり、ゲームの世界ならかなりおかしいって事、
水晶を持ったまま僕は風の吹く外に出て戦いが起こってるであろう方向を見る。
流石にこんな森の奥地は来ないね、
でもなんか微かに血の匂い的な物が風に乗ってくる気がするから………うん、大変だね、
(他人事w)
流石にまだここに来た実感が感じないしね。
戦闘経験も0、モンスターも僕を敵認定してないどころかたまにじゃれてくる始末。
(ここら辺のモンスターはほとんどがBランク以上とゲームで言うと終盤に現れるレベルの強いモンスターばかり、しかも僕よりもでかいし強いからじゃれてるというより、襲われているのに近い)
もう一度水晶を見ると未だに戦いが終わる様子は見えず、しかもそのうちの一人のばかでかい斧もった男前さんが剣を振った瞬間、そこから巨大な衝撃波が起きてそれに巻き込まれた人達がが吹き飛ばされていった、え?、 なにあれ、強くね!?。
僕だったら秒殺だな。
☆☆☆
それから2日ほど経ちました~。
今日も僕は平々凡々かつ穏やかな1日を送る~、のんびりライフを満期してるよ~。
あの戦争はいつの間にか終わってた。
観察対象が無いから暇………。
そしてあの後暇ねので再び本棚を漁っていると驚いたことがあった。
なんと魔族は#モンスター__魔族__#の上位種に当たるんだとか、魔物が強くなったり変異を起こすとなるんだって。
そして他にも人間もごく稀に魔族に進化するんだって、(おそらく僕がそう)他に種族だったら獣人やエルフ、ドワーフ、龍人その他にも色々存在していた、まさにファンタジー☆。
魔族は魔族で一括りにしてるが実際はかなりの種類になる。
不死人、ハーピィ、オーガ、サキュバス 、吸血鬼、魔人、人獣、他にも魔王も存在してるし数え切れないくらいいる。
そして本の最後のページに 。
力を持ちすぎたもの、ハイエルフ、聖獣、神獣、神人、不死人、魔王などの種の頂きについた者は世界の時間という名の枠から外れる、と書いてあった、
僕の種族もその中に入っていたので詳しく読み進める。
寿命は自信の種族、保有する魔力によってかなり変わるらしい。
基本的な人だと六十年~百年。
魔力の多い場合は二百年~五百年と樹木みたいなことになる。
そして魔王と不死人は永遠の若さを保ち 。
そして桁違いの量の魔力を保有してるものもほとんど見た目が変わらず寿命と言う存在がなくなるんだとか、
……………………どうりでモンスター達が襲ってこないわけだ、自分よりも格上の人を襲う無鉄砲物なんて早々いない、 でも永遠か……………飽きそうだな。
☆☆☆
~それからまた2日経った~
なんか面白いこと起こんないかな………、いい加減暇すぎていやになってきた。
僕はただいまソファーのなかでぐで~っ、としてる、
穏やかな中に何かスパイスが必要、
そうしないと人間ダメになってまう。
外に出てん~、と腕を上に伸ばすーーそうだ。
「ちょっとそこらへん散歩するかな♪」
畑仕事以外外出たことないし、この周辺は見たこと無い。
モンスターに襲われる心配ないけど、念のためアイテムボックス(バッグ)を持って行こう。
「さあ冒険気分を味わいましょー」
ワクワクとした気持ちで歩き出した。
~1時間後~
なんと不思議、気がつきゃ森の外(何故だ)
風とともに血と、暫く放置した肉のような気持ちの悪い匂いが鼻をくすぐる。
「森出てみたら地獄ってか?」
冷や汗を掻きながらぼくは思わず呟く。
てくてくと森の光の入り方や、すれ違う魔物達に見とれながら歩いてたら道に迷い、そのまま気にせず歩いて気がついたら森を抜けていた。
森を抜けた先にはそこらじゅうに人の死体が転がってるホラー映画も真っ青な地獄絵図が広がっていた。
広大な場所に転がる数えきれない程の死体、その死体を見ても吐き気や嫌悪感がほとんど起こらない自分が少し疑問に思うが、とりあえず腐臭が酷いので手作りマスクを着用。
目は元々メガネをかけてるから心配なし!(?)、でもどっちにしろ目の毒。
こんな死体だらけならゾンビとかでそう……………。
「ア''ア''ァアァア!!!」
ほ~ら言わんこっちゃ無い ………え?。
耳に痛い声がした、自分の後ろを向くと肩からザックリと腕をなくした兵士さんと目が会う、否、焦点の会わない目が会う。
「…………はい?」
…………貴方ダレデスカ???
「ウ''オ''オ''ォォオア''ア!
……………ゾンビさんですか、ソウデスカ……………。
耳障りな音を発する#元__・__#兵士、異世界来て初めての戦闘がスライムでもゴブリンでもなく。
アンデッド。
ブードゥー教ですってよ?、奥様! 。
…………て、現実逃避はしないで。
アンデッドって、いつの間にかゴキブリのごとく死体から湧いて出てくるプレイヤーにとっては邪魔でしか無い、一応モンスター。
こいつだけは無差別でなんでも喰おうとするからうざい。
隠語をいくつ出しても足りないくらいキモい、もうほんと世界から消えてほしい存在…………。
マジでG並に湧いて出てくるし。
生き物じゃ無いから薬品ぶっかけても酸性の物しか効果無いから実験台にもならない。
こう言う時は光魔法で浄化!!
なんだけど、あいにく僕は光魔法が弱点の魔族、氷と炎の魔法をかじった程度しか扱えない。
つまり対策は聖水か爆弾を使うんだけど 、聖水作るのに、か、な、り!、手間がかかる。
(聖域に行き、そこの湧き水を汲み、それに純度の高い水の魔石を浸しながらひたすら聖歌を歌い半日経ったらそれを次に聖杯に入れて祭壇に供え、また聖歌を三日三晩歌い続けて完)ため今日は爆弾を使って倒そう。
早速アイテムボックスを漁る。(ゾンビとはよたよたと近づいてくるため後ろに下がる行為をひたすら繰り返してます☆)
はい皆さん注目っ!死体とゾンビしかいない!、虚しい!。
………取り出した爆弾の説明しよ。
今僕が手に持っているのはビー玉サイズのお手製ミニボムちゃん。
見た目はかなり小さいが中には燃料5割、火薬2割、増火剤3割と入ってるため爆発したらしばらくは燃え続ける、そしてそれをゾンビの頭めがけてふりかぶって、投下!ーーボブん!!
ジュゥワァアアアア!!!
「いい焼けっぷり~」
ゾンビの醜い断末魔と人間の焼ける匂いは意識からもみ消してとりあえず喜ぶ!。
そう、決して人が焼けていく姿なんて見えないんだからね!、自動的にモザイク掛けていればいいのさ!
「さぁて気が済んだし、帰るか」
流石に精神的に持たないから地図を出してうちの場所を探す。
「ここから~10分くらいかな?寄り道しまくって帰ろ☆」
遊ぶぜっ!と意気込んで僕は鼻歌まじりに家、もとい森の中に入っていった。
森を出てからの行動を最初から最後まで誰かに見られていることを全く気付かずに。
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