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寄り道、又の名を迷子

寄り道するとは言ったけど………。 「うーん……ここはどこだ?」 地図見なくても分かるら~、と思い地図をバッグにしまったのが行けなかった。 結局迷子になった。 あっちへふらふらこっちへふらふらとしていたら、なぜか森を抜けて巨大な湖に出てきてしまった。 この湖自体は知ってはいるが、迷ったことにはかわりない………………。 でも僕には最終手段があるから問題はない。 「さてな、まだ時間はあるし何しよう?」 まだ、ていうか無限に近いほど時間あるけど、家に戻るにはまだ2時頃だから少し早い。 ならば探検をしよう。 正直愛する家に帰ってふかふかベッドにダイブ、という案もなくも無いのだが、流石にだらけすぎだと思いやめる。 そして今いる場所は。 「湖だからやっぱ泳ぐ、のは、の○太君並みにひどいからダメ、じゃあどうするか?」 大体今の僕の格好だと脱ぎにくいため却下。 薄手の黄色いポロシャツの上にフード付きの茶色のローブで身を包み(ちょっと熱い)そして腰には守護の効果がついた黒いリボンをぐるぐると帯みたいに巻きつけている。 何か良いものが無いかとアイテムボックスを除く。 「 浮き輪、風船、水着、アヒル君にカッパの服!?、僕何作ってんの……………?」 ろくなものが無い………………自分が作っておきながら呆れる、改めて中を漁ると黄色いゴム状の何かがぐちゃぐちゃになっていたために引っ張り出す。 「何これ~?ここに空気入れリャーいいの?」 広げたときに一つ突起が付いていたのでそこに口をつけて空気を入れるが、いっこうに溜まらない。 「もう!なんなのこのゴムクズイライラするなもう」 ブツブツと愚痴をこぼしながらも健気に頑張る僕えらい!。(とんだ自画自賛) 「さぁもっかいリベンジ」 ☆~少々お待ちください~☆ 「はぁ、はぁ………やっと、終わった」 あれから一時間近くゴムクズに空気を入れる作業に心が折れそうになり、時にそれがだんだん形がなってきたため諦めずに根気よく入れていき、そして心が折れそうにという負のループを繰り返しできたのは、ホームセンター何かに売られているでっかいゴムボート。 「これ使えばジ○リのお○いでの○ーニーみたいにできる?」 そもそもボートを漕いだ事が無い上にあれはちゃんとしたボートだったね。 まぁでも楽しみだね。 「僕の事だからボートもあるって事はオールもあるって事だよね、」 いい加減立つことに疲れたため、木の幹に腰を下ろしてまたバッグの中に手を突っ込んだ 。 そしてがさごそと漁っている事数分。 「お、あったー♪、て……ちょっと出てこないんですけど?」 見つけたには見つけた、だがここで問題が、それは バッグの大きさとオールの大きさがかみ合わないため先っぽがつっかえて出てこない、逆にどうやって入れたのこれ、入れたの誰だ、僕だ。 ちくしょうと自分で自分を貶しながら僕はオールを出すことに専念する、 「もう、こうゆう時はどうしよう…………あ、そうだ、こうしてしまえ。」 ビリビリビリッ 。    ~15分後~ 「で~きた!」 達成感たっぷりに汗を拭い生まれ変わったバッグを上に掲げた。 バッグの口を少し破り大きく開けて糸と針を用意して解れてる部分を塗い、バッグの口をゴムの切れっぱしを利用して伸び縮み出来るように改造、これでオールも出せるしそれよりもでかい物を出せるようになっただろう。 正直自分で作った道具なのにほとんど把握してないから何が入ってるか分からない。 (作ったそばからボックスに突っ込んでそのまま放置がほとんど) おかげで色々と発見が出来て嬉しいけね………………。 そして無事にオールを取り出しゴムボードにて湖へ進出しようとした時 「 ガ~リュッ♪」 モンスターとエンカウントした。 ☆☆☆ 「あんたねぇ~、人をなんだと思ってんの? おもちゃ?、人形?」 どうも皆さんこんにちは、ただいま虎型のモンスターにスリスリとされております。 重い……………冗談抜きで潰れる…………そして暑苦しい。 そして今現在ピンチな原因となっているこのじゃれついてるのはA級の中でも上位の。 【クリムゾン、タイガー】 炎を操り炎を喰らう厄介極まりないモンスター、ゲーム時はボスとして現れて火属性に関わる技、魔法を全て吸収して回復してしまうという曲者。 しかも図鑑を見てわかった事だがこの虎はまだ幼体で200年程成長するとSランクの【火炎虎】と呼ばれるレジョンド級のモンスターに変わるらしい。 らしいというのは、今までに二回しか現れた事が無いんだとか。 (戦った事はもちろん無い、ドラゴンの様にビルみたいにでかく無いから不意打ちができない、) で、その虎だけど…………………いくら幼体だとはいえAランクモンスター、加えて黄色い毛の部分を赤くした虎の見た目を大人の像サイズにしてしまっている、運営くそ食らえ。 考えても見て欲しい………像サイズの虎に覆い被される形でそのでかいほっぺですりすりされてる、恐怖以外の何物でも無い、何よりこの暑い森の中湖が近くにあるからまだましだが、そこに毛玉の塊の虎にまとわり着かれる、真冬に来てほしい案件だ。 「ねーえ~」 恨みがましい目を虎に向けながれ僕はぺしぺしと虎の腹を叩きながら声を出す。 「がルル?」 なんだじゃないよ(何となく読み取る(適当)) 「いい加減離れて?」 暑い。 「ガルァッ?ガルルル!」 気持ち的に(あん?いいだろ別に!) なんだろうけど。 「ごめん、何言ってるか分からないや」 「がルゥ~?、」 残念そうに(なんだよそれ~?) て感じなんだろうけどいい加減潰れる……………、 「ほらぁー、マタタビあげるから」 バッグからマタタビの染み込んだ布を取り出して森のある方向へ投げる、 「ガッル~♪」 「ふぎゃ!」 たくっ!人の事散々舐めまわしといて最後は踏み台、当の本人はバキバキと木が悲鳴あげる物騒な音たててマタタビの消えた方向へ消えていくというありえない所業。 最初会った時に魚なんてあげなきゃよかった!。 しかも虎とか大型のネコ科って舌がザラザラしてて痛い、顔がヒリヒリする。 バッグから手鏡を出して舐められた顔を見るとちょっと血が出てる。 「舐められてダメージくらうとかどんな舌だよ……………、」 思わず苦笑いしながらポーションの入った小瓶を取り出しクイッと、飲む込む、苦っ!。 「もー………毛だらけ」 そして今度はコロコロを出して無駄に長くて体にまとわりつく毛を取る。 (ファンタジーのかけらも無いなんて言わないでね) 「さて気を取り直してボートで湖へ進出!」 そう思いボートに向かう。 ☆☆☆ ん?。 何かがおかしいと、ついて早々考える。 ボートは湖に浮かべてある。 オールも用意してある。 湖の真ん中で食べるおやつの用意もOK。 「でもなんか違和感があるような………気もする」 ………うん、分かった。 ボート乗り込んでからだが違和感の招待に気づいた。 でもその違和感の正体が新しい問題が起こしている。  「え~と?、お宅どちら様?」 ボートの大きさは僕が横に並んで三人は寝れる程の広さ、それを二人分も埋めてしまうほどの巨体。 真っ黒な所々血がついいながらも立派で重そうな鎧。 その鎧を着こなしているのもあるが、鎧からでも分かるほど逞しい身体付き。 濃い茶髪をオールバックにした男の僕でも見惚れてしまいそうな野生的な顔立ち。 水晶で何度か見かけた事がある、斧をぶん回していたあの男前さんが、僕のボートで何故か規則的な寝息を立ててぐっすりと寝ている。 「……………とりあえずこの人は置いといてボート漕ご」 自分の欲望には忠実にね☆これ、大事だよ♪。 (現実逃避中)

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