16 / 26
どうも、魔王です(きり)
「「はぁッ!!??」」
結構度肝を抜かれる値段……まぁでもゲームの世界のお金だし? 貯金はしてあったから。
「結構お買い得な値段でしたよ」
結構早めに落札できたからその値段ですんだ、酷いときは二億とかいくぜ。
「「いやいやいやおかしいだろ「でしょう」!!」」
「え?、なんでです?」
「金貨8000枚つったら国の予算半年分はするぞ!?」
アルさんは凄い形相でこっち見てるけど………、
えー?
「そもそもそんなお金どこから出てくるんですか!?」
「武器とかを一つ二つ売ればそれくらいはしません?」
「しません! 」
「しねえよ! 」
「大体なにを売ったらそんな金額になるんですか!」
目をかっと開いて僕に詰め寄るミネルスさん。
「妖艶の鞭とか霊刀ファルトムとか……ですかね?」
素材を無駄に食うけど高く売れたっけな
聞きなれない名前に二人は顔を見合わせて、
「……………おい、なんだその凄そうなのは」
「初めて聞く名前ですど……? 」
ん……? こっちにないのかな。
「妖艶の鞭は鞭を打つたびに幻覚作用のある気体を発生させるものです」
「わりとすげえ能力だなおい………」
「…………もう一つの方は?」
「霊刀ファルトムは肉体にダメージを与えずに相手の魔力や精神にダメージを与える刀…これで切られた人の魂の傷を癒すのは結構めんどくさいですよ…二人してなんちゅー顔してるんですか」
今更二人の驚いた表情に気づきは二人をみる。
「そんな武器見たことも聞いたこともねえぞ………? いまその武器って持ってるのか?」
「残念なんですけ、ど……」
今は持ってないと言おうとして、僕の中で何かがカチリと変わる。
「…………どうした? 」
「…………もう敬語疲れたから外す、素材集めるのがめんどくさいからないよ」
もう敬語なんてめんどい、やめよやめよ……。
「あぁ…………?」
するとアルさんは怪訝な顔をすると手招きしてくる。
なにかと思い側にいけば、ガチリと頭を掴まれた。
「お前いままでさんっざんこの俺が敬語取れ敬語取れって言ってたのになんでいまになっていきなりとるんだよ…………! 」
あ、頭、頭いたい! はげる!
「だって人にも慣れてきたし畏まる場所でもないからいいかなぁーて……感じ? 」
「何故に疑問系なんですか…………、じゃあ今更ですが自己紹介してくださいよ……いくらこの脳筋の奥さんにになる子でも得体の知れないのは受け入れられませんからね」
やれやれと溜め息をついたミネルスさんに僕はニヤリと笑う。
「アルさんの扱い雑……笑える……」
「だってこの脳筋、大抵の事は力でごり押し、戦争の時も前線に出て暴れまくる、しかも最悪なことに戦関係のこと【だけ】に関しては頭が回る、まぁ、それ以外のことは人並み程度しかできないこれこそが脳筋、もしくはそれに準ずるやつでしょう」
「………でも強いってことには変わりないんだ」
「それを否定できないんですよねぇ、困ったことに」
肩を竦めミネルスさんは苦笑する。
「おいこらミネルス、そりゃあ聞き捨てならねえな」
ミネルスさんの発言が気に入らなかったのか青筋を立てアルさんは不機嫌そうに最後の唐揚げを口にいれた。
「まぁでも……僕なんてうまく策を練らなきゃ他の魔王に勝てないのに、力があるのは羨ましい」
「そこはを才能ですも…、いまなんて言いました? 」
突然こちらを凝視するミネルスさん。
僕なんか変なこと言った?。
「うまく策を練らなきゃ?」
「そのあとです」
「勝てないのにうらやましい?」
「惜しい、もう少し前です!! 」
「もう少し前、戦争で他の魔王にらへん?」
「そう! その言い方だと貴方も魔王ってことになりますけど? 」
ぁ~、そこか。
「なんかややこしくなりそうなんで詳しく自己紹介するべ」
「なんで田舎臭くなるんだよ…!」
「…………気持ち的に? 」
「んだそりゃ、とりあえず俺の膝にこい」
「やだ」
「断っても乗っけるだけだ」
その言葉通りテーブル越しにも関わらず上から持ち上げられ、あっという間にアルさんの膝の上。
……座り心地は結構良いね、って、ちょっとアルさん? なに頭に顎乗っけてるの? 重いんですけど……
「………貴方達いちゃついてないで早く自己紹介してくださいよ」
苦虫を噛んだような顔でこちらを見るミネルスさんに僕はアルさんの頬をぺしぺしと叩いて降りる。
んっんん……ここは、真面目に? それとも気の抜けた感じに?
………真面目にいこう。
「我が名は魔族の頂点が一人、ラグーン・パイライト、種族は死して尚生きる不死人、氷結や火炎の魔法を扱えるけど基本は戦わない方向でよろしく、ここではのんびり暮らしていたけどいつの間にかアルさんに流されてるのが現状、のんびりできればなんでもいいからよろしく」
あ、うん、真面目にやろうとは……した……。
そしてミネルスさんは興味深そうに聞いてていつの間にかアルさんは僕の後ろにいて抱き上げ………。
あぁ、なんかだらだらしてるな~。
ともだちにシェアしよう!