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第5話
(返信すんじゃなかった……)
心の底から思った。
分単位のメールはSNSもやらない俺にはもはやストレスでしかない。
迷惑メールフォルダにいれてやろうかとすら思っていたところに、解放された後輩がヘラヘラしながら言ってきたのだった。
「せっかくなら会いに行けばよくないっすか? こんなに会いたい会いたい言われてんだし、大金持ちなんだから相当すげぇもてなししてくれんじゃないっすか」
随分簡単に言ってくれる。
「だーかーらー、別に俺は会いたくないんだって! 別に連絡も取りたくないし」
「えーっもったいねぇ~!こんなVIPと知り合う機会なんか一生に一回あるかどうかっすよ?もったいねぇよ~!」
じゃあお前が行けよというと、それはマジ勘弁っすと腕でデッカいバッテンを作る。
「絶対やられんじゃんだって~、めっちゃ精力強そうだもん」
「ヤられる? 殺られる? どっちだ?」
「ヤられる方、掘られる方」
「掘られるは生々しいからやめろ」
確かに会えばヤられるだろうな。出会いがそれだったし、お互いの共通の趣味とか性格とか全然知らない。
これで結果的にただのセフレにでもなってしまったとしたら。
「セフレはちょっとなぁ……」
セフレ作るなら女がいい。
思ってたところに、届いたのがあるメールだった。
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