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第55話

とりあえず2時間くらい篭るって言われたから、じゃあ2時間くらい泳ぐことにした。ちょうど夕方に差し掛かる。休みながらでも、2時間も泳げばかなり運動になるだろ。 プールはきっちり25mある。泳ぎはまぁまぁ得意な方だ、運動にはちょうどいい。 持参した海パンに履き替えてプールサイドに出ると、まだ篭ってなかった奴が俺の姿を見て残念そうにしていた。 「おい、なんでビキニじゃないんだ? 全然セクシーじゃないじゃないか」 悪かったな、普通の短パンタイプの海パンで。 「別にお前喜ばせるために海パン持ってきたんじゃねぇから」 まぁ欲求不満なのはわかるけどさ。 泳ぐは得意な方とは言ったけど、泳ぐの自体はもう10年ぶりとかそのレベルだったから、体を慣らすところから始めた。 徐々にクロールやり始めて、おお、俺まだ泳げるじゃんとか思いながら。 休みながら泳いで、たっぷり1時間くらい。 さすがに疲れて、プールサイドのデッキチェアに横になった。 昔ほど体力もないことを改めて感じる。いくら筋トレしてたって衰えるもんは衰えるんだ。 「はーあ、だらしねぇなぁ」 疲れて眠くなってくる。俺こんなにすぐ眠くなる奴じゃないのに、ここに来てからすぐ眠くなってるなぁ。それだけリラックス出来てるってことなんだろうな。 スッと眠りについてしまったところを、奴の声に起こされた。

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