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第78話

「ねぇ」 口寂しくて呟く。 「キスして」 ねだった直後に唇を奪われる。厚い舌が、俺の口腔内を一気に舐めあげた。 俺も必死に舌を絡めて、彼の舌を味わう。 その間、股間に触れる手の動きも緩めない。自分のを慰めるように、全体を擦ったり先端を重点的に刺激したりする。 唇を離した彼が、余裕なさそうに呻いた。 「手だけじゃ物足りない」 「えっ?」 そしておもむろに起き上がり、俺の隣に横になる。 「上に乗ってくれ」 隣で彼が俺を見る。下半身でそそり立っている彼のがアンバランスだった。 上に乗れという意味を即座に察して、彼の体の向きと反対向きになって上に跨る。こういう体勢で女を上にさせたことはあるけど、自分が上になるのは初めてだ。 「よぉ、久しぶりだな」 人の股ぐらで楽しそうになんか言ってる。ちょんちょんと指で刺激してきたのは、俺のムスコ。 「何に話しかけてんだよ」 ちょっと呆れた。 「まだ挨拶してなかっただろ」 「しなくていーから」 「せっかく会えたんだし。な?」 そのまま口に含んでくる。 「あっ」 弾かれたように、俺も彼のを口に含む。俺も挨拶してやればよかったかな。

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