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第85話

背筋がピリッと緊迫するのと同時に、どうしようもなく甘ったるい痺れを感じる。 俺の体は抵抗なく、彼の侵入を許した。 「ぁっ」 内臓が迫り上がる感じがする。声を出すのも精一杯。 彼は俺の腰の辺りに両手をついて、侵入を試みている。苦しくて、背をそらせながらその腕に爪を立てた。 「どうせ爪を立てるなら、背中にしてくれ」 そのまま俺の上に覆いかぶさってくる。 背中に腕を回すと同時に、一気に根元まで突き入れられた。 「あ、あ……っ」 覚えてる。この太さと感覚。 やっと繋がった体が、彼を歓迎してる。 「大丈夫か?」 脈打って彼を締め付ける穴の感覚もそのままに、彼が顔中にキスしてくる。 息が整わないまま、軽く頷いた。 「へぇき」 ちゃんと受け入れられた。 ちょっと感動してる。正直、こうして繋がるのは無理だなって思ってたところがあったんだ。 心配する必要なんか、どこにもなかった。 あの太さがあっという間に体に馴染んで、早くその形を覚えようとしている。 自分の体がこんなに彼を欲していたとは思いもしなかった。 「ああ、そうだ、この感触だ」 彼の方も、なんだか感慨深そう。 「この締め付け、懐かしい」 少し微笑みながら。 「締め付けなんかみんな同じだろ」 「いいや、違うさ。女だってそうだろ?」 「う……んー」 自分から話振っといてなんだけど、女も男も関係なく、こんなところで他の奴の話なんかしたくない。 唇を尖らせると、軽くキスされた。 「まぁいい。お前が一番愛しいことには変わりないんだからな」 そのまま抱きついてきて、静かに腰を突き上げてくる。 「んっ、はぁんっ、ぅ」 突き上げられるのに合わせて、声が漏れて止まらない。 静かな空間に、ひたすら俺の声が響く。

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