88 / 97

第88話

ツルンとした頭を撫でると、甘えるみたいに柔らかい抱擁に変わった。 「あんまり締め付けられると、すぐにイッちまいそうだ」 「イッてもいいけど中には出すなよ」 「わかってる。だから少しでも長く中に居たい」 「マジか、俺が保たねぇよ」 軽く突き上げられながら話す。 脚を腰に絡めると、腰の動きが少し強くなった。 「あっ、ちょっと」 待って、と言う前に唇を塞がれる。直腸全部持ってかれたんじゃないのかってくらい、腹の奥まで彼の太さが響く。 「はぁ……っ」 でも、それが気持ち良くて嬉しい。 どんなに乱れても、彼になら晒け出せる…気がする。 脚も腕も絡めて、彼の動きに身体を任せる。1つになって、溶けるみたいな感覚が心地よくて仕方ない。こんな感覚は初めてだった。 「苦しくないか?」 ちゃんと聞いてくれる。全然苦しくない。 「大丈夫。本当に、もっと強くしてもいいくらい」 むしろそうしてほしい。もっと彼で満たされたい。満たされて、暴れるほど乱れたい。 「そうか……」 それ以上何も言わず、彼は微笑んだ。 途端、一気に引き抜いて、一番根元まで押し込んでくる。 「ああっ! んっ!」 頭の中がパチパチ弾ける。余計なことなんか考えられないくらい、彼から与えられる感覚に酔い、彼のことだけを思った。 「もっと鳴いてくれ。俺しか聞いてないんだ、どんだけ鳴いても誰にも聞かれないから。聞きたいんだ」 彼が望むなら、この声、いくらでも聞かせてやる。 額の汗が肩口に落ちてきて、自然と腰が揺れ、彼のペースに馴染んでいく。

ともだちにシェアしよう!