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第88話
ツルンとした頭を撫でると、甘えるみたいに柔らかい抱擁に変わった。
「あんまり締め付けられると、すぐにイッちまいそうだ」
「イッてもいいけど中には出すなよ」
「わかってる。だから少しでも長く中に居たい」
「マジか、俺が保たねぇよ」
軽く突き上げられながら話す。
脚を腰に絡めると、腰の動きが少し強くなった。
「あっ、ちょっと」
待って、と言う前に唇を塞がれる。直腸全部持ってかれたんじゃないのかってくらい、腹の奥まで彼の太さが響く。
「はぁ……っ」
でも、それが気持ち良くて嬉しい。
どんなに乱れても、彼になら晒け出せる…気がする。
脚も腕も絡めて、彼の動きに身体を任せる。1つになって、溶けるみたいな感覚が心地よくて仕方ない。こんな感覚は初めてだった。
「苦しくないか?」
ちゃんと聞いてくれる。全然苦しくない。
「大丈夫。本当に、もっと強くしてもいいくらい」
むしろそうしてほしい。もっと彼で満たされたい。満たされて、暴れるほど乱れたい。
「そうか……」
それ以上何も言わず、彼は微笑んだ。
途端、一気に引き抜いて、一番根元まで押し込んでくる。
「ああっ! んっ!」
頭の中がパチパチ弾ける。余計なことなんか考えられないくらい、彼から与えられる感覚に酔い、彼のことだけを思った。
「もっと鳴いてくれ。俺しか聞いてないんだ、どんだけ鳴いても誰にも聞かれないから。聞きたいんだ」
彼が望むなら、この声、いくらでも聞かせてやる。
額の汗が肩口に落ちてきて、自然と腰が揺れ、彼のペースに馴染んでいく。
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