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第90話
「反則だろう、それは」
途端にたどたどしくなるから可愛い。
「え、なにが反則?」
わざと知らないふりをして尋ねる。
「わかってるだろう?」
「いいや、見当もつかないよ」
「小悪魔だなお前は」
ちょっと顔を強張らせながら、まだ耳を真っ赤にしている。
「嘘、わかってるよ。ごめんな?」
謝ってから、またわざと名前を呼んだ。
「……あんまりイタズラすると、こっちも仕返しさせてもらうぞ」
耳を真っ赤にしたまま、俺の体を抱きしめ、もっと深く突き上げてくる。
「あっ! ちょっ、待って!」
自分から仕掛けておきながら、仕返しのペースについていけない。
「ん、聞こえないなぁ」
明らかに声が笑ってる。
ケツの穴を行き来する太さと速度は安定し、俺の内部を確実に侵食して、体の奥深くの敏感な部分を刺激し続ける。
「あん……っ、ん、あっ」
声が止まらない。
1人で鳴き続けるのが恥ずかしくて、遠くに聞こえる波の音に縋りたくなる。
彼の表情が少し強張っていた。あんまり余裕なさそう。
腰の動きも止まらず、確実に俺の中を抉って、なんならそのまま俺の一部になりそうなほど馴染んでいた。彼と繋がるためにある場所みたいだ。
ゾクゾクする。腹の中いっぱいに彼を感じて、頭がぼんやりしてきた。
「限界が近そうだ……っ」
先に音をあげたのは彼。
「うんっ、俺も、ヤバい、っ」
だいぶ汗をかいていた。自分の先っぽからも、先走りのが溢れて止まらない。
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