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第91話

「ハニー、俺と一緒にイこう」 揺さぶられたまま、彼の言葉に頷く。 「ん、イく、うん……っ」 同じ快感を共有できるなら、喜んで共有する。 彼の頬を包むように触りキスする。彼も深いキスで応えてくれた。 もうグズグズで、どうしたらいいのかわからないくらい、彼と1つになる感覚に酔いしれる。 「も、やだ、ぁっ!」 感じたことがないくらいのが強い快感の波が、少しずつ体の奥から押し寄せてきて、少し怖くなる。子供みたいに訴えて、彼に縋った。 「心配ない、俺と呼吸を合わせて」 余裕ないくせに、努めて冷静に俺に向き合ってくれる。 必死で彼と呼吸を合わせようと、体に抱きつく。 もう自分でセーブ出来ないくらい、強い波がそこまで来ていた。 「だめ、もぉ……」 一番声が震えた瞬間、あっという間に吐精していた。 「っ!」 全く同じタイミングで、彼の体が震える。 ケツの奥が、じんわり熱くなる。 しまった、出された。 思ったけど、もうこの際どうでもよかった。 「すまない、抜くタイミングを逃した」 息を荒げたままの彼にも謝られたけど、適当に頷いてやり過ごした。腹がヤバくなったらトイレに駆け込むことにしよう。 「ちゃんとあんたと繋がれたし、ちゃんとイけた」 そっちの方が、今は大事だ。 息を整えるのも待たずにキスをねだり、口腔内を舐った。 「ハニー、最高だった。本当にセクシーで美しかった」 見つめられながら言われたら、やっぱり何だか恥ずかしい。でも、たまらなく嬉しくもある。 愛してる、をお互いに確認出来たんじゃないかなって思えた。 彼の存在の大きさと俺の存在価値も、改めて認識できたというか。 「うん、ありがとう。全部あんたのおかげだ」 しばらく話を続けたけど、いつの間にか彼の腕の中で眠りについていた。 太い腕と厚い胸に体を沈め、彼と共に眠る。 この日はいつにも増して、ぐっすり眠ってしまった。

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