50 / 288

Ⅲ【トリスタン】 第12話

「統帥、少し腰を上げて頂けますか?」 《ローエングリン》のコックピット 操縦席のユキトの膝に、俺は座っている。アキヒトが俺に覆い被さって、誠心誠意のお願いを聞くけれど。 首を縦には振れない。 「我が儘言わないでください。脱がせられないでしょう」 「……恥ずかしい」 いざ、行為……となると、羞恥が勝って(すく)んでしまう。 「俺が脱いだら、脱いでくれますか?」 「………………えっ」 パチリ パチパチ 瞬きを繰り返す事しかできない。 ……どういう事なのだ? 「統帥は自分だけ裸になるのが恥ずかしいんですよね。じゃあ、俺も脱げば恥ずかしくありませんよね?」 「そういう問題じゃない」 裸を見られる事がっ。 (……秘部を) 人目にさらすのが恥ずかしいのだ! 「じゃあ、脱ぎますよ。俺の体、隅々まで見てください」 「ちがっ!」 違うぞ、アキヒト! お前は勘違いしている。 アキヒトが裸になったからといって、羞恥心がなくなる訳ではないんだ。 「ワっ」 腰が浮いた。 「引っかかりましたね、統帥♪」 どうして? ……考えるまでもない。 騙されたっ★ アキヒトの一挙手一投足に気をとられていたが余り、油断した。 俺の脚はアキヒトに抱えられてしまった。 脱ぐ……と言ったのは、アキヒトの罠 「もしかして期待してましたか?俺の裸」 「馬鹿な事を言うなッ!」 本気で怒鳴ったが、これすらもアキヒトの計画通りだ。 「ワァっ」 腰に手が伸びて。 「統帥のエッチ♪」 「なっなっ」 言葉が出てこない。 否定したいのに。しかしっ。 着衣がッ! 「俺よりも、エロい統帥の方が脱ぐの先ですよ」 下着ごとパイロットスーツが引き下ろされてしまった。 「……ぁ」 小さく悲鳴を上げて、前を隠そうとした手は後ろから…… 「ユキトっ」 「ちゃんと見せて。可愛いから」 ユキトの手によって縛られてしまった。 「すげっ……」 ソレを目の当たりにしたアキヒトが一瞬、言葉を失った。 俺の…… 下半身の中心で、反り返った熱塊…… 「もしかして、もうイっちゃったんですか?」 首を振って否定する。 ……けれど。 白濁の蜜で盛大に汚れた肉棒はベトベトで、下着まで先走りが染みてグショグショになっている。 はしたなくも、二人の雄の視線にさらされて、ピュクっと先端がミルクを漏らした。 「……じゃ、すげー溜まってるんだ?」 「そうじゃな…い……」 (かぶり)を振るけれど。 声が震えてしまう。 脚の間の昂りがドクドク、小刻みに揺れて蜜を垂らすから…… 否定にならない。 「ハゥっ」 上着のジッパーを下ろされて、両胸の実を人差し指の腹で潰された。 「やぁンっ、イイっ……もっとぉ」 喘ぎと嬌声がついて出た。 (理性が……なくなる) Ωの発情期に飲まれていく。 腹の上で、首をもたげた熱棒が嬉しそうに踊ってる。 (腰、勝手に動いてっ) 「初めてのナツキの発情期なんだから……優しくする」 「アァアっ」 首筋に落ちた唇 陶酔の内に理性が堕ちていく。

ともだちにシェアしよう!