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Ⅲ【トリスタン】 第14話

「ァアぅアァアーっ」 後ろからユキトの雄に会陰を抜き差しされて。 前をアキヒトの雄に犯される。 二本の雄が、快感の絶頂へ(いざな)う。 苦しいっ…… もうちょっとでイケる。 なのにイク事を許されない。 血管の浮き出た竿がパンパンだ。 出したいよぅ。 ドロドロのミルクで、ユキトのも、アキヒトの雄も汚したい。 ユキトとアキヒトの雄汁で汚れたい。 ドロドロになって…… 早く絶頂の悦楽を味わいたい……のにっ。 射精間際の狂おしい快感の監獄に、ずっと囚われていたいとさえ思う。 この終わりなき快楽地獄に、理性を堕として…… 性の虜囚となり果てたい…… アぅアっアっアっ 塞ぐ事を忘れた口から、引っきりなしに喘ぎが漏れる。飲み込めない唾液が垂れている。 のけぞって汗ばんだ喉 つうっと指が撫でた。 「可愛い声……我慢している内はイカせないよ」 「ヒァアアアァアアーンッ!」 あられもない嬌声を上げる。 「俺の名前、呼んで」 「ユキトぉッ…ユキトォォぅッ!」 もっと、もっと俺をよくしてッ ユキトでイカせてっ! 「ご褒美あげる」 喉を撫でられて、濃厚なキスを施された。 根元の手が緩んだ……けれど。 もう片方の手が根元を締めつけて、苦痛と快楽で、ハゥっと吐息が漏れる。 「俺だけイって、俺のネバネバの精子で統帥の雌しべに受粉させるのもいいですね」 「アキヒトっ」 「イクのおあずけしたら、統帥どうなっちゃうのかなぁ」 「ヤァっ、いじわる言わないでェっ」 懇願するように。 快楽を求めて、ふしだらに腰を振る。 アキヒトの手が、俺の怒張した昂りを慰めてくれる。 だけど、根元を塞き止める手を緩めてくれない。 ハァッハァッハアッハァッ 快感だけが水位を増し、出口がない。 どこまでいっても出口が見えない。 気が狂ってしまうっ。 「ちゃんとお願いしないと、ずっとこのままですよ?」 「……イカせてっ」 「聞こえません」 「イカせて!アキヒト、しゃせぃさせてぇッ!」 どんな屈辱的な言葉だって言える。 無限の快楽から解放されるのなら。 「どんなふうに?」 瞼の奥を、濡れた雄の眼が射貫く。 「教えてくれないと分かりません。 今度は統帥らしく、俺に命令してください」 但し…… 「チャンスは一回です。上手に命令できなかったら、統帥はずっとこのままです」 潤んだ視界、欲情のこもる玲瓏に捕らわれる。 アキヒトっ 「………………シルバーリベリオンの名に於いて…騎士 テンカワ アキ…ヒトに、命じるっ」 アキヒト……… アキヒトの……… 「濃くて淫らな汁をぶっかけて、お前の猛々しい雄しべで俺を籠絡しろッ」 「Yes(イエス), your(ユア) Majesty(マジェスティ).」 手の(かせ)が、根元を解放した。 快楽の濁流が、いきり立つ熱棒に押し寄せる。 ビュクビュク断続して、押し溜められた白濁を吐き出す。 「ハゥァアアー!」 気持ちいいッ! 快感で腰が蕩けてしまう。 断続的な射精が続く中、脚の間の雄しべが速度を増して、ユキトが一気に放精した。 同時に。 射精の最中の俺の肉棒ごと激しく扱き、アキヒトが精を放つ。 もう誰のものかも分からないミルクで、俺のソレはグチョグチョだ。 ハァァハァァハァァ ペットボトルの口を開けて、乱れる呼吸の中、ユキトが水を飲ませてくれた。 指が口内に侵入して、舌の上に錠剤を置く。 ………抑制剤か 今度は口移しで水を流し込まれた。 「……これ、で。発情期が…おさまる…のか?」 「薬が効かなければ、俺と子作りしよう」 理性が戻りつつある意識に、唇を落とされた。 俺を見つめる漆黒の双眸に包まれる。 優しく、穏やかに…… 「ヒヤぅッ」 ティッシュで拭われ、きれいに清められた下腹部に刺激が走った。 チュッ 「統帥は恥ずかしがり屋だから、すぐ隠れてしまうんですね……」 「アキヒトぉ、もうイったからぁ。イったばかりだからぁッ」 チュッ、チュッ 脚のつけ根…… 行為を終えて、ふにゃりと皮の中に隠れてしまった敏感な先端を、アキヒトの唇がしきりにつっついてくる。 「アはぅ、もう許して。アキヒトぉ」 「心外ですね、俺が虐めてるみたいじゃないですか?」 違うのか? 終えたばかりで、触っちゃいけないトコロ、故意に触るのは虐めだろう。 ハァッハァッ 両足を押さえつけられる。 「ちゃんと後戯もさせてください。統帥の初めての発情期ですから、最後まで奉仕しますよ」 チュッ、チュッ♪ (これっ、後戯なのかっ?!) 容赦なくアキヒトから与えられる股間への強すぎる刺激に、たまらず俺は悲鳴を上げた。

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