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Ⅴ【マルク】第23話

「脚、開いて」 内腿を、そろりと掌が撫でた。 ゾクリ 肌に走ったのは快感だ。 ユキトの手、嫌いじゃない。 俺の体はユキトで快楽を覚えている。 でも……… 今のユキトは……… 「優しくしない」 言葉とは反対の繊細な手つきで、割れ物にでも触れるかのように、脚の付け根をそっと撫でる。 「お願いじゃない。命令だ。……脚、広げろよ」 ユキトの下で、立て膝をした脚を少しだけ……開ける。 「これじゃ、俺が入れない」 フッ……と息が落ちたのは、ユキトに笑われたからなのか? 「前にも言っただろ。セックスの時、ナツキは大股開きをするんだ」 両足首を掴まれて、脚をグイッと割られた。 「俺の言った事は、一度で覚えて。ナツキだって、交尾で気持ちよくなりたいだろ」 (ヤっ) 脚を持ち上げられてしまう。 こんな格好、恥ずかしい。秘所が丸見えだ。 男なのにっ。 (こんなのっ) ………メスがオスを待ち望む格好なんて。 男なのにこんな姿さらして、羞恥に耐えられない。 「雄穴がヒクヒクしている。ナツキのココは、立派なメスだね」 つんっ 生あたたかい物が、入り口をつついた。 (なに、今の?) ヒクッと後孔が震える。 「悦び過ぎだよ。先っぽからお汁が垂れてる」 つんっ また、つっつかれた。 あたたかく湿った感触は、ユキトの舌だ。 (やめてっ!汚ないから) 閉じようとした脚は、強固な腕に阻まれる。 見られて、舌でクチュリとあらぬ場所を舐められて、孔がヒュクヒュクする。 舐め回す舌から逃れるように、酸素を求めてソコが呼吸しているみたいだ。 ビュクンッ 昂りに血液が集まって、熱い。 「俺の言う事を聞いていれば、気持ちよくなれるよ」 チュウゥゥーっ 湿った感触が、脚の間の玉袋に吸いつく。 (ハァアアゥ~) ユキトの口だ。 「我慢の足りないムスコだね。お漏らしして、(もてあそ)び甲斐があるよ」 チュパ、チュパ、チュパ 袋を唇が虐める。 (やめ…てっ) まだ触られてもいないのに。 ドクドクして、昂りが首をもたげている。 頭を振って抵抗するけれど、ユキトは許してくれない。 「ナツキと違って、素直なムスコだ。涎を垂らして止まらないよ」 快感に抗うが、体に裏切られる。 ビクビク、血管が血液で膨らんでいる。 「一度ヌいた方がいいかな?ナツキ、早いし。……あぁ、ごめん。皮剥いてあげるの忘れてた」 ツンツン 舌先が鈴口をノックする。 「それとも。皮被ったままでヤる?」 ………………え。 「挿れながら、ココいじっても気持ちいいと思うよ。 ナツキはいつも、皮こすってシコるんだろ。俺がそれ、してあげよっか?」 しない! 俺、そんな事いつもしないから! 首を振って否定する。 「ふぅん……俺の手じゃイケないんだ?じゃあ、自分でヤるしかないよな」 ユキト……それって、どういう?…… 「手錠外してあげるから、一人エッチ見せてよ?」 なに言ってッ 「いつもヤってるように、慰めたらいいからね」 俺、しない。 そんな事…… 「年頃の男の子が、オナニーの経験がないなんて事ないよな。ナツキもいっぱいヤってるんだろ」 しない……から。 首を左右に振ったけど…… 「うそつき」 勃ち上がった股間の肉棒を指先が弾いて、プルルンと揺れる。 チュプ 咥えられて、舌でこねられて、フワぁンっ! 敏感な先端の皮を下ろされた。 チプチプ、チュパ 剥き出しになった敏感な先っぽを、容赦のない舌と口が攻めてきて、喉がくぐもった息を鳴らす。 ハアハァハァハアッ 俺のアソコ、ユキトの手と口が(いじ)ってるぅ~ チュプゥと、口づけを怒張の先端に落とされた。 同時に、後ろで両手を忌ましめていた金属が冷たい音を立てて開かれた。 カシャン………カランッ 手錠が床に滑り落ちた。 (ファァ) 指の先で大事なトコロの皮、摘ままれている。 「……ほら。ナツキの雌しべ、元通りに被せてあげたよ」 皮を引っ張りあげられて、股間の熱棒がいつもの見慣れた姿に戻っている。 「ナツキの分身が、寂しい……って言ってる」 (アンっ) ユキトに(いざ)われた手が、脚の間で主張するベトベトの俺自身に添わされる。 「右手が欲しい……って、泣いてるよ」 ビュクンッ 先走りが飛び出した。 腰が震える。 ユキトが見ている…… 握った熱脈がビュクビュクする。 見られてる…… 視線を感じるだけで、俺ッ お汁が出ちゃう! 「これはね、ナツキ。お願いじゃない。命令だよ。 ナツキの体は俺の物だから、言う事聞けよ」 クイッと、指の端で顎を持ち上げられる。 「顔はさっき、俺の種で汚してやったから。下半身は、自分のザーメンでグチョグチョになれよ」 熱を孕んだ息が耳朶を舐めた。 (イヤっ) …………なのに。 逆らえない。 どうして、そんな声で命令するんだ。 鉛のような 胸にのし掛かる声で絞めつけて。 自分を傷つけてるんだ? だったら、俺をもっと傷つけてくれ。ユキト………

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