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Ⅴ【マルク】第33話
ペロリ
頬に飛んだ飛沫を生暖かい舌の腹が、ヌチャリと舐め取った。
「ハゥウ」
俺の左の胸の突起……白くなってる。
下半身から飛んできた白濁のミルクでこね回されて、赤い実が無理矢理、白く色づかされた。
「ヒンっ」
胸の尖りを摘ままれて、喉から声が湧き出てしまい、手で口を覆う。
「ダメだよ、ナツキ。意地悪しないで」
意地悪?
俺が?
意地悪なのは、ユキトだろう。
さっきから、ずっと胸の実を弄 って、吸っては摘まんで……舐めて弾いて、潰して……
俺……女の子じゃないのに。
こんな薄べったい胸のどこがいいんだよ?
「ァうッ」
また胸の実、引っ掻いて虐めるっ。
「ナツキが声、我慢して意地悪するなら……俺、もっと意地悪なコトするよ?」
うそだろ。
ユキトは十分、意地悪だ。
「……なに、その目?まさか、俺が意地悪だなんて思ってないよね?」
……うっ、読まれてる。
頷いては……ダメだ。本当の事であっても、肯定したら最後、俺はもっとユキトに虐められるっ。
(雄を受け入れるに際しては、意地悪されるのも容認せねばならぬとは!)
セックスとは奥が深いな。
シルバーリベリオンたる俺の卓越した知識をもってしても、まだ知らぬ事があっただなんて……
「ほら、ナツキ。集中」
「……あ、うん」
小さく頷くと、いい子いい子……と大きな手で髪を撫でられた。
やっぱりユキトは優しい。
俺に意地悪なんてする筈がない。
………と、思った矢先
「ハァヒィィー!!」
「声、忘れてるよ。いっぱい声出して、俺を興奮させて」
「ヒアアァアァンっ!!」
指がぁぁ~
後ろの蕾、掻き回す。
三本でグチャグチャにされるぅ~
ヤっ、コリコリしたトコロ触らないでぇぇ~
「で、出るゥゥゥ~~」
「さっきイったばかりだろ?我慢できないと恥ずかしいよ?」
でも、でもっ!
コリコリ、らめぇ~~
「変にらるぅ~っ……ヒゥアぁッ!」
根元を押さえた手のお蔭で、辛うじて暴発を免れた。
でもっ、でもっ!
………雄は………しゃせぃ寸前に「ァっ」とか「ゥウっ」とか、小さなうめき声しか出しちゃいけないんだ!
なのにっ。
嬌声上げて。
それも動物みたいな可愛くない悲鳴で。
俺、雌じゃない。
獣じゃない。
……俺、さっき喘いだのに。
「アァン♥」って、ユキトのために甘い吐息で一生懸命、喘ぎ声を伝えたのに……
どうしてユキトは満足してくれないんだ?
ちゃんと俺に伝えてくれたら、抱かれる立場の者のマナーとして「アァン♥アァン♥」って、何度でも可愛く言ってあげるのにぃ。
なんで、こんな……ヒィヒィついて出てくる変な声を聞きたがるんだよー!
「ヒィィアウっ!」
腰が跳ねる。
クネクネ回して、ガンガン突き上げる腰の動きが止められない。
「パンパンの雌しべがすごく揺れてる……やらしいね」
そんな事、言われても~
腰が勝手に動くぅ。
「玉もプラプラして可愛いよ」
チュウっ
吸われて、腰が浮いた。
「今夜はこの中のミルク、全部出そうね」
チュッチュッチュッ
根元の袋に音を立てて口が吸いついて、腰が飛び跳ねる。
いっしょに雄しべも飛び跳ねる。
「金玉吸われたくらいで暴れるなんて、はしたないよ」
だって~。
腰から下が、俺の意思では止められないんだ。
「……おちんちんはナツキの分身だから、ふしだらなのも仕方がないね」
言わないでぇ、ユキト
俺はふしだらな体じゃない。
……ユキトが、こんなふうにしたんだ。
「もっと気持ちよくなったら、どうなるのか……俺が見てあげるよ」
指が奥を突き上げて、息が止まる。
でも。クラクラする快楽は、すぐになくなった。
ヌトリと指が後淫から抜かれて、一瞬もの寂しさを覚えたのも束の間……
「ナツキの大好きな固くて太いものは、なーんだ?」
ククっ
意地悪なブラックダイヤの眼が、雄の欲に濡れている。
……答えないと、許してくれない。
黙っていたら、ユキトに酷いコトされてしまう。
「…………………………雄しべ」
消え入りそうな声を震わせた。
「………不正解だよ、ナツキ」
正解はね…………
「『俺のちんこ』だろ」
柔らかなキスが額に舞い降りた。
もうすぐ俺は、ユキトに………抱かれる。
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