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Ⅴ【マルク】第34話

セックスは、二人でイチャイチャするんだと思ってた。 気持ちいいトコロに触れて、撫でて、こすって……二人で触り合いっこするのがセックスじゃないのか? ハァハァして、たまに「アァン♥」って言ってあげるのが俺の役目じゃなかったのか? こんなっ こんなのっ 息つく暇もなく、快楽に突き落とされる。 獣みたいな変な悲鳴が止まらなくて。 汗がドッと噴き出して。 腰打ちつけて、くねらして。 大股開きしてるのに、もっと股広げて。 ほんとは人目にさらすものじゃない、いきり立った性器を見せつけるように振ってる。 恥ずかしい言葉で、ピュクピュクお汁漏らしてる。 こんなの、俺の知ってるセックスじゃない! ……経験ないけど。 獣みたいに絡み合う。 アソコがドクドク脈打って、雄の熱が欲しくてたまらない。 こんなの、俺の想像とは違う。 俺ッ、どうなっちゃうんだ。 (……おっきい) ユキトの脈動、すごく膨らんでる。 あんなのが、入るわけない! 「俺の大事なトコロを『あんなの』扱いはひどいんじゃない?」 聞こえてたっ。 心の声ダダ漏れだったー★ 「恥ずかしいナツキを見て、ナツキの事考えて、いっぱい膨らませたのにな。 大きくなったココに、ナツキの愛が入ってるんだよ」 ブルンッ 凶悪な形に変貌した雄が揺れた。 でもっ。 「無理なモノは無理だっ」 あんな太いヤツ、入れちゃダメ ……俺だって…その~…………男同士は、お尻使う事くらい……知ってるからっ。 お尻使うの、俺なんだぞ! あんなの絶対入れちゃいけないヤツだ!! 「『あんなの』酷い」 しまった!また心の声が漏れてた★ 「今まで、大きいの悦んでたのは誰なんだよ」 「変な事言うなっ」 悦んでない! ………ちょっと興奮しただけだ。 「お前、挿れるこっちの身にもなってみろ」 「リラックスしたら入るよ。さっきまで指三本、咥えてたろ」 「~~~」 ………変な言い方しないでほしい。 無理矢理、挿れられてただけなんだから…な? 「無理矢理はしてないだろ。挿れる時、声かけたよね。一本ずつ『挿れるよ』って」 うっ。俺また声に出して言ってた? 「ココはね、大きくする事はできても、小さくしてあげる事はできないんだ。 ナツキサイズにはならないから。 ナツキの蕾が俺に合わせて」 なんだよー!ナツキサイズって!! 俺のアレ、侮辱するな!!! 「ユキトのなんか、絶対挿れない!」 「挿れてもらう!」 両足首を持ち上げられて、体躯が滑り込んできた。 脚と脚の間に入ってきたユキトの体のせいで、股が閉じられない。 「リラックスさせてあげる。怖がらずに俺を受け入れるんだよ」 「フヒィイーっ」 竿をこすられて、裏筋を引っ掻かれた。 舌先が鈴口を突っつくと、パクリ 生暖かい口内に、先端を飲み込まれる。 ヌチャヌチャ、チュプチュプ 濡れた水音を立てて、口の中で皮が引っ張られて下ろされる。 「こんにちは、素直なナツキ♪」 引っ掛かりの下まで皮を下ろされた。 包皮の下から顔を出した俺の先っぽを、ユキトが指で弾いて、プルンと全体がしなった。 (どこに挨拶してるんだ!) ……俺だって、素直ないい子…だぞ。 そもそもっ! アレは雄にとって大事な器官だから、包皮で守られている姿が正しいのだ。 俺の性器は、雄のお手本なんだぞ。 ユキトみたいに剥けてたら、大事な器官を守るものがなくて、いざという時に危ないだろう。 だから剥かれるのは、恥ずかしく………ない。 「ちゃんと集中してる?」 「ハゥん」 剥き出しのユキトの先端が、俺自身をつついて、竿が俺の雄しべをはたく。 ユキトの、熱くて固いよぅ~ 大きな手で扱かれて、ハァハァハァ、酸素が足りない。 「ナツキのココは、俺の手も口も好きだよね」 「フゥウ~」 首を振って否定したのに、ユキトは聞いてくれない。 「こっちは、俺の手と口のどちらが好き?」 垂れ下がった根元の袋、指でコリコリしてきた。 「おいなりさん♪いただきまーす」 ジュプジュプ、ジュパァ 吸われて、唾液まみれにされてしまう。 「ハアぁウ」 「ナツキの金玉、美味しいよ」 大事なタマタマ、ユキトに遊ばれてる~ 手で竿を握られて、上下にこすられて。 口が玉袋を弄ぶ。 「ヒィィィ~ンぅ」 雄しべ、シコシコしちゃダメー! ゴールデンボール、お口でコリコリしないでぇ~! 「後ろの蕾、ヒクヒクしてる」 うそっ。 前が気持ちいいのにっ。なんで、後ろが反応するんだッ 「俺のムスコで慰めてあげる。……挿れていい?」 お願いは形だけの命令だ。 拒絶は許さない。 漆黒色の金剛石を宿した双眼が、俺を見つめる。 雄の欲で、俺を染めている。 用意周到なユキトの手が、ベッドの下にもぐり込んだ。 取り出したのは、小さな袋 手慣れた手付きで袋を破る。 (それっ) コココ、コンっ……… 勃ち上がった股間の雄に被せるヤツだァっ!

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