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Ⅴ【マルク】第36話

………あれ? なんで、ユキト……… ユキトは、俺と………そのっ 子供を作りたかったんじゃなかったのか? だったら、避妊……する必要ない。 なのに、どうしてコココっ…ンっ………こんどぉーむ使うんだ? ………使ったら子供、作れない…よな? 俺のお尻に子種、入らないんだから…… ユキトの手の中 袋を破って取り出された黒いゴムを、じっと見つめた。 やっぱり俺が付ける物なのかなぁ。 さっきもミルク出して、シーツを汚してしまったし。 出るものは止められないから、俺が付けたらシーツを汚さずに済む。 だけど俺、付け方が分からない。 ………付けてくれ、ってユキトに頼むか。 男として少々情けないお願いだが、止むを得ない。 ユキト……と呼びかけた時には、もう 「あっ」 既にユキトが手早く、ユキト自身にゴムを被せてしまっていた。 俺のこんどぉーむじゃないのか?! 俺のはどこ?? やっぱり、俺はサランラップなのかっ!?!?(♠) …………巻くよ。 サランラップなら、自分でラッピングできるし~♠ 「もしかして、ナツキ……黒は嫌だった?」 「………へ?」 眉根を寄せて……ユキト、なに深刻な顔してるんだ? 「そうだよね……黒はちょっとリアル過ぎるっていうか、生々しいよね。ピンクが良かったのかな」 黒? ピンク? なんの話? 「でも、これだと潤滑ゼリーが付いてるから。初めてのナツキに向いてるって思ったんだ。 温感ゼリーだから、冷たくないよ」 ゼリー? 温感? デザート(もぐもぐ) タイム……かな? 「温かいゼリーって、珍しいな」 「結構メジャーだよ。挿れる時、気にならないだろ」 「そうか?俺は冷たいゼリーが好きだけど」 「そうだったの?じゃあ、次からは普通のにするね」 「いや、温かいのを知らないから分からないんだ」 俺のために珍しいゼリーを用意してくれたんだよな。 「ありがとう、ユキト」 お夜食のゼリーを用意してくれたユキトの細やかな心遣いに、胸がいっぱいになった。 「いいんだよ。次は冷たいゼリーで、色も全部用意しておくから。 ピンク、青、緑、オレンジ、パープル。好きな色をナツキが選んでね♪」 「あぁ」 何味だろう? ピンク=苺 緑=メロン(もしくは青リンゴ) オレンジ=オレンジ パープル=葡萄 ……かな。 問題は青 ………ブルーハワイだ。 着色料、心配だし。 「青以外で頼む」 「分かったよ」 さて。 問題は、今日の黒だ。 黒は何味だ? ……………… ……………… ……………… ………………イカスミ味 これしかないな……… 不味そうだ。 否 絶対、不味い! 断ろう。 ユキトには申し訳ないが、温かいイカスミゼリー~~~ 激不味(ゲキマズ)、決定だ。 「今日のところはすまないが、体が受け付けそうにない。今度にしてくれないか?」 「ダメだ!」 突然。いつものユキトらしからぬ強い口調で引き留められてしまう。 「俺、準備万端なんだ。できない。今すぐナツキの中に挿れたい!」 「ユキ…ト」 お前っ! ゼリーはユキトの手作りなのかッ

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