123 / 288

Ⅴ【マルク】第43話

「俺……変だから。お尻で気持ちよくなって…放精するなんて……気持ち悪い、よな?」 だから…… 「俺なんか愛想つかされて、ユキトはもう俺と別れたいんだと思って」 「なんで、そうなるんだよっ!」 ガッと肩を鷲掴まれた。 「逆だろ、(むし)ろ!男冥利(おとこみょうり)に尽きるだろ!」 「……そう…なのか?」 「そうだよ!」 真っ直ぐ俺を映すブラックダイヤの双眸が、俺を気遣って嘘をついているとは思えない。 「ピストン5回でイったのには、ちょっとビックリしたけど。すごく嬉しかったよ♪」 「嬉しい?」 俺、お尻でイった変な体なのに。 「あぁ、もうっ。なんで分からないんだよ。ナツキだって男だろ」 「……うん」 「雄のコレは、雌の性器を気持ちよくするために付いてるんだから、嬉しいだろう」 「ちょっと待て!」 ユキト。お前、いまなんつった? 「雌の性器ィ~」 『ナツキだって男だろ』って言ったよな? 「男に向かって、雌呼ばわりとはどういう事だ」 「なに言ってるの?ナツキのお尻は雌の性器だよ」 ……………… ……………… ……………… 「………………え」 「雄を咥えるナツキは男だけど、俺だけの可愛い雌なんだから」 「………………え、っと~」 これは、つまりユキトに想われていると解釈していいのか? …………………………複雑だ♠ 「言葉で言って伝わらないなら、体で伝える!」 「えっ、ユキトっ?!」 『気持ちは言葉にしないと伝わらない』って言ってたろ。 「アゥンぅ~」 うそだろっ! お尻の中の圧迫が……きつくなってる。 まさか、ユキトッ ソコ、まだ大きくなるのかッ!? 「うそっ」 もう十分、大きいのに。 これ以上成長したら、お尻が裂けてしまうよぅッ 「小さくしてっ」 「無茶言うなよ。ナツキで興奮してるから、もっと大きくなるよ。嬉しい?」 ブンブン 首を横に降る。 「大きくしちゃダメぇ~」 「太いの、大好きなクセに♪」 チュウっ 耳たぶを噛まれた。 「動くよ」 グニン ユキトのアレが俺の中を引っ掻いて、背中がのけ反った。 穴が広がるぅ~ 「キュウキュウ締めつけて……気持ちいい?」 締めつけてなんかないッ ユキトがおっきいから~ 俺の穴が、ユキトの形に広がってるだけだァ。 「ナツキの雌しべも復活してるよ」 「ヤっ!」 そんな筈ない。 信じて見下ろした下半身の突起物の姿に、裏切られた。 見事に変貌している…… (半勃ちだ……) また後ろで興奮してしまった。 雄なんだから! 前は物理的刺激で勃起した事にしないとッ 下腹部の昂りに手を伸ばした。 (自慰しなくては) 手でアソコを(いじ)って、よくなった事にするしかない。 ユキトに自慰するの、見てもらおう。 お尻の穴で気持ちよくなったんじゃないんだから…… ………………なのに。 「アゥッ」 両手はベッドに縫いつけられてしまう。 「触るなよ。皮は俺が剥いてやるから」 左手が、頭上で俺の両手の自由を奪う。 右手が、ピコンっ……と。 上を向いた昂りを弾いた。 「出ておいで、ナツキ」 ニュルン 先っぽの皮が剥かれて、小ぶりな出っ張りが顔を出した。 「触らせない」 グニュングニュン 「ハゥウ~」 グリンっ 腰を回して穴のひだを愛でる。 タプタプ 手持ちぶさたの右手が、垂れ下がった玉袋を(もてあそ)ぶ。 「ナツキのお尻は、雄を咥えて悦ぶ性器なんだから、後ろだけでイクんだよ」 「そん…なっ」 穴の中を暴れる熱脈が苛む。 「ひだが『気持ちいい』って言ってるね。すごく動いて、キュウキュウしてる」 「ちがっ」 「分からないの?知らずにやってるのなら、ナツキは天性の淫乱だ」 ちがうんだ。 ユキトの剛直から逃れようと、腰を振っているだけでっ。 ……振ってたら、たまたま…… イイトコロに当たって、蜜が漏れてしまっただけだからァ~ 「ねぇ……ナツキはゲイになったんだよ」 俺……………… (ゲイ………なのか………) 「ナツキは俺が好きだろ?」 「うん」 俺はユキトが好き 「俺もナツキが好き。俺は男だし、ナツキも男だ。 ナツキは俺と同じ、ゲイなんだよ」 (…………俺……ゲイなんだ…………) 「ゲイなんだから。気持ちいいって言ってる体の声聞いて、もっと雄穴の快楽に素直になっていいんだよ」 俺ッ、ほんとうは……… ユキトを咥えたトコロが熱くて、穴が蕩けてしまいそう。 血管の浮き出た竿も、カリの張った先端も。ユキトの猛々しい剛直が大好きなんだっ! 恥ずかしいけど、隠せない。 アソコがピュクンピュクン、先走りを垂らしている。 どうしよう…… 雄の…淫棒が、好き……

ともだちにシェアしよう!