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Ⅴ【マルク】第44話

「……イィ」 ハァッと落とした小さな吐息が、熱を孕んでいる。 「どこが?」 薄く開いた瞼に飛び込んだ闇色の瞳が、妖しく濡れた。 「ねぇ……どこがイイの?ココ」 ユキトの右手が、袋の中の大事な男の玉をコリコリする。ヤァンっ! ソコもいいけど、もっとイイトコロがあるんだっ。 「気持ちよさそうだね。揉みしだいてやるよ。金玉でイってみる?」 「優しくしてェ~」 デリケートな場所だから。 「ナツキ……男の場所責められて、メスの顔になってる。可愛いな」 ユキトの手が微妙な強弱をつけて、左の玉をコリコリするぅ~ タマタマ気持ちいいけど、もどかしいよぅ。 もっと、別のイイ場所に強い刺激が欲しいィ~ 腰をくねらせて、ユキトを誘導する。 お願い、ユキト。 俺のイイトコロに気づいて。 「この淫乱は、俺じゃまだ足りないのか?」 「なん…でっ」 じっとりと、ユキトの視線がお尻の……男の玉門(ぎょくもん)()めつけている。 「俺を咥えてギュウギュウなのに。もっと欲しいの?……ココに指三本、入るかなぁ」 「ちがうっ、やめてっ」 ユキトだけでいっぱいなんだ。 指三本も挿れられたら、裂けてしまう。 「でも、もっと太いのがイイんだろ。 俺のサイズじゃ足りないから、ココ……ヒクヒクさせておねだりしてるんだろう?」 「ちがうっ」 「違わないよ。ナツキは雄好きの淫乱なんだから。それとも、俺の勘違いだった? ……そっか、ごめんね。ナツキの嫌がる事はしないから、今すぐ雄しべを抜いてあげるよ」 「ヤァン!抜かないでぇ!」 キュウっと、孔の中のユキトを締めつける。 「ユキト、行っちゃイヤ」 「雄しべ抜かないと、ナツキが淫乱になっちゃうよ?」 「俺、淫乱だからァァー」 キュウキュウ ユキトの昂りにおねだりする。 「ユキトが大好き。おっきいのすごく好き。雄のぶっとい淫棒が大好きで、ユキトのでかいのが一番好きィ!!」 「男の体が大好きなんだね。俺の体、気に入ってくれた?」 「好き!菊門がヒクヒクして、中の肉のひだがギュウギュウ震えるくらい好き! 俺、男好きの淫乱だからァ。お願い、大好きな淫棒抜かないでェ」 「いい子だよ、ナツキ。やっと自分の体に素直になったね」 下腹部の真ん中で、いきり立った熱脈をユキトが撫でてくれる。 「イヤぁ、もっと強くゥっ」 こんなやわい刺激じゃ、全然イケない。 「ダメだよ。ナツキは後ろでイクんだから」 「フワァア」 不意に剛直が孔をスイングして、嬌声が漏れる。 「ナツキの股間に付いてる性器は、挿入する事なく生涯を終えるんだよ。 男としては、この上なく恥ずかしい体で一生過ごす恥辱を受けるんだ」 クニュン、クニュン 指先で、先っぽの皮を剥いたり被せたり…… クチュクチュ、先走りの水音を卑猥に響かせて弄ぶ。 「そんなふうに、ナツキの一生を辱しめるのは俺だから。一生童貞のナツキの体に、たくさん教えてやるよ。 雄を咥えるメスの悦びを。 童貞で良かったって感じるくらいの快楽漬けにしてあげたいんだ。 ……ナツキを愛しているから」 「ヒィウアアァァーッ!」 孔をユキトが抜き差しする。 入り口までズルリと下がった雄が、奥まで一気に押し入ってくるッ 内壁がこすれる。 ヤハンッ! 奥ダメっ。触れられた事もないトコロに、肉が穿たれてゾクゾクする。 悪寒が快感に擦り変わる。 腰から背筋に駆け巡った快楽の寒気(さむけ)が、感じた事のない悦楽の渦になって、俺を飲み込むゥーッ 「アハゥアアアァーッ!」 「ピストンは4回までだな。5回目はナツキがイってしまうもんね」 クスリ 意地悪な口許が吊り上がった。 「ほら……涎垂れてるよ。拭いてあげる」 熱っぽい指先が濡れた口許に触れた。 「おいで……ナツキ」 繋がったまま、抱き寄せられて…… 俺、ユキトの上に脚を跨いで座ってる。 「今度はナツキが動くんだよ」

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