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Ⅵ【ファウスト】第3.5話 (おまけ+)

《おまけ+》 - passion 〔受難曲 ~H一等兵の災難・部屋と彼シャツとカレーパン~〕- 俺を覚えているだろうか? 俺はハラダ。階級は一等兵。 先月、昇格したばかりのα-大日本防衛軍 一兵卒だ。 皆は、俺の事が分からなくても仕方ない。 だが。シキ一尉には、名前と階級を覚えて頂いている! 一尉のような上級軍人の方が、俺のような一兵士にまで心を配ってくださるなんて光栄だ。 俺はシキ一尉を尊敬している! 軍人として 人として 判断力に優れた、懐の広い御方だ。 今も一尉は、引き渡す捕虜のΩが可哀想だからと、バスルームの脱衣所で体を拭いてやっている。 Ω捕虜は、恐らく……甲板(デッキ)で銃殺される。 避ける事はできない。 俺は軍人だ。 上官の命令は絶対だ。拒否権はない。 ……この捕虜は、俺達の仲間を大勢殺した。 しかし、憎むべきは戦争なんだ。 こいつが悪いんじゃない。 こいつだって、Ω解放軍 統帥 シルバーリベリオンの命令に従っていただけ。 俺と同じ…… 命令を遵守しなければならない、ただの一兵卒なんだ…… ……………………一兵卒なんだけど~~ 確実にこのΩ、一尉の恋人だよな!! なぁ、なんで誰も気づかないんだよっ。 部隊長もっ。 ほかの隊員の面々もっ。 このイチャイチャっぷりは絶対、恋人だろッ わざわざお姫様抱っこで、バスルームに連れてくんだぞ! どうして誰も突っ込まない? 俺は今、一尉とΩ…… 恋人同士の二人の見張りをさせられている。 バスルームの脱衣所のドアの隙間から、機銃の銃口を突っ込んで。 隙間から、この恋人達の監視をしている。 逃亡を図らぬよう、不審な行動がないか見張るのが、俺に課せられた任務だ。 ………と、言えば格好いいが。 覗き見………だよなぁ。 スッポンポン 脱衣所でスッポンポンの恋人達を、なぜ生暖かい目で見守らなければならないのだろう~♠ いい加減、服着ろよっ。 なんでもいいからっ。 ……おっ、一尉がΩの肩に羽織らせている。 白いシャツだ。 Ωに一尉のシャツは大きいようだ。 袖から指先しか見えてなくて……いかにも彼シャツだな。初々しくて可愛いぞ♪ 彼シャツの王道だ。シャツで太ももまで隠れてる。 ………ところで、 Ω………パンツはいたか? やっぱり★ ボタンを留めてないシャツの裾から、皮に隠れた可愛らしいムスコがプランプランしているッ はけよ!パンツっ ……そうか。Ωは捕まって捕虜になったもんなぁ。お着替えのパンツ、持ってきてねぇよな。 買ってこようか。 ダメだ。 ここは戦艦マルク。海上だ。 コンビニはない。 どうする? ……あ、一尉がなにかをΩに差し出している。 これはもしや、一尉のパンツ。 彼パン、というやつか★ 一尉が彼パン持ってしゃがんだ。 Ωに、はかせてあげるんだな。 優しい。 やはり一尉は、俺が尊敬する紳士(ジェントルマン)だ。 ……Ωが首を振っている。 はけよ! きれいに洗濯されているパンツだから!(←たぶん) 「はかない!」 「どうして?ナツキ、黒は嫌いなのか?」 「そういう問題じゃないッ」 ……一尉 黒、好きだな。 ……ゴムも黒だったし~ 「それはパンツじゃない」 「パンツだよ、ほら」 「~~~」 ……一尉 それ…… 「紐じゃないかァーッ!」 お尻が紐だ…… 「俺の勝負下着だよ♪」 なんつー男の勝負かけてんだよ~!! 「ほかのはないのかっ。ボクサーパンツとか!」 「ないよ。……あ、でも色ならそろえてる。白、ピンク、青、緑、オレンジ、パープル」 ゴムかっ! 「布の面積が小さすぎるぞっ。カレーパンより小さいじゃないかっ」 ……なにゆえカレーパン? 彼パンだから、カレーパン? 「心配いらない。ちゃんと収まるよ。………ねっ♪」 ……『ねっ♪』じゃねーよッ 一尉っ、凶悪すぎんだろ! 「ユキト~」 自分ではいて見せてくれた、黒のビキニパンツ(※後ろは紐) 前がパンパンに張って、男の形がくっきり見てとれる。 エナメル質の布地が、明かりの下でテカテカ光って…… 「エロい」 「嬉しいよ♪」 「喜ぶななっ。褒めてないっ」 「ナツキからの『エロい』は最高の褒め言葉だよ♪」 「だから褒めとらんわー!」 「じゃあ、ナツキもビキニパンツ♪おそろで、はこうか♪」 「人の話聞けよッ」 Ωがご立腹だ。 可哀想にぃ~ ……って、おいっ! 「白、ピンク、青、緑、オレンジ、パープル」 シキ一尉っ! 「ナツキはどれがいい?」 どこに掛けてるんだよーッ 一尉がビキニパンツ引っ掛けている、それはーッ 俺の機銃だァァァーッ!! 「ナツキならピンクもいいけど、クールなブルーも似合うと思うよ」 ピンクでもブルーでも、どっちでもいいわっ。 機銃をパンツの物干し竿にするんじゃねェェーッ!!! ド天然だ……… この人……… ド天然だ……… 軍人としては尊敬できるが、人としては考え直した方がいいかもしれない。 シキ一尉 懐は広いが、パンツの面積は狭い…… 耐えてくれ、Ω…… 堪え忍んでくれ…… 一尉はド天然なんだ…… 後ろは紐だが、前は一応布がある。 ………彼パン、はいてくれ♠ 案外パープルも似合うと思うぞ。 ……一尉。お尻がプリンっとして、このビキニパンツを選ぶだけの事あるよな……

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