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Ⅵ【ファウスト】第18.5話 -3 (朝■■編)
《お前は旭、まだ勃っていればいい ~〔朝■■編③〕~ 》
………俺も、朝勃ちしてた。
ユキトのアレばかりに気を取られていたけれど。
俺の股間も同様だった。
これは雄の生理現象なんだ!
俺だって健全な男子なんだからなっ。
雄の象徴はエッチな妄想しなくても、朝はカチカチに起き上がってしまうんだ。
……それが、ユキトは気に入らないらしい。
お前だって朝勃ちしてるじゃないか!
どうして、俺だけ朝勃ちしちゃいけないんだッ
「なんで興奮しないんだよ」
「………え」
「隣でカレシの雄しべが、ガチガチなんだぞ。生で触っておきながら……朝勃ちなんて、酷い」
俺、酷いのかッ?
「お前の雄しべを収納してあげようとしたんだぞ!」
親切を酷い呼ばわりって、酷くない?
「朝勃ちだってフル勃起なんだ。ナツキも膨らまして、悦んでるって思ったのに」
「人として、ユキトの雄しべをズボンの中に入れる事を優先するだろう!」
布地の面積の小さいビキニパンツの中は、無理だから。
「ナツキは人である前に、淫乱だろう!」
「……!!」
淫乱は人よりも優先されるのかァァァーっ!!
「ユキトッ、訂正しろ。俺はシルバーリベリオンだ。なにゆえ、俺がΩ解放軍の頂に立っている?
優秀な頭脳ゆえか?違うな。
それは、俺がこの地上で最も貞淑だからだ!」
「シルバーリベリオンに淫乱も貞淑も関係ないだろ」
「淫乱なシルバーリベリオンに、誰も付き従う訳ない」
「単にΩ解放軍の皆が、淫らなナツキを知らないだけだろ。巨根が大好きなクセに」
「………………き……キライじゃないだけだ」
「俺のに興奮しないなんて酷いよ」
結局、話はそこに戻ってくるのかーッ!
「じゃあ、ユキトは俺にどうしてほしかったんだ?」
「それは……」
しばしの沈黙の後、口ごもったユキト
「……収納してほしかった」
ほーら、みろ。
やっぱり俺の判断は正しかったんじゃないか。
貞淑なシルバーリベリオンの辞書に『間違い』という文字はない。
「ナツキの中に……」
………………
………………
………………
いま、なんつった?
「目を開けたら、ナツキが俺に股がってアンアン♥腰振って喘いでて。
『我慢できなかったの?』……って俺が問いかけると、目尻に涙を溜めて『ごめんなさぁ~い』って、顔を真っ赤にしたナツキが頷くんだ♪
……これが、正しい朝勃ちの起こし方だよ♪」
全然正しくないわーッ!
「……あっ。でも、ナツキには無理か」
そうだよ!
ようやく気づいたか。
つーか、やっと人の道に戻ってきたか。ユキト
そんな恥ずかしい目覚めは、希望の朝を迎えるにあたって間違ってるんだよ。
「ナツキはすぐにイっちゃうもんね」
「………………へ?」
「ピストン5回で果てちゃう、早漏だから」
「~~~」
ユキトォォォーッ!!
「目覚めたら、俺に股がったナツキが汗ぐっしょりでグッタリしてるの。雄しべ、お尻に挿れたまんま♪」
「~~~」
「『正しい朝勃ちの起こし方(淫乱Ω ナツキver.)』に付け加えておくね」
なんだ、そのAVみたいなタイトルはッ
出演許可した覚えはないぞッ
「残念だけど、朝からナツキに種を搾り取られるのは諦めるよ」
ユーキートー
確かに、俺はピストン5回だ。
5回で果てる。
しかし、忘れたか?
俺はシルバーリベリオン
崇高なる理想を掲げて、Ω解放軍 統帥という名の頂に立つ誇り高きΩだ。
我が名誉と頭脳に賭けて、否定しよう。
お前は間違っているぞ、ユキト!
教えてやろう。
5回で果てるという事は、許容範囲は4回なんだ。
4回までは大丈夫。
分かるか?
そうだよ、ユキト
つまり……
4回ピストン→休憩→4回ピストン→休憩
完全無欠の法則性を見つけてしまった。
この法則に従えば、俺が果てる事はない。
フハハハハー
ユキト、お前なんだよ?
先に果てるのはな!!
………俺の頭脳は早漏を超えたんだ。
「お前の種くらい、俺が搾り取ってやる!」
「ほんとっ」
キランッ
ユキトの双瞳が輝いたのは、どうしてだ?
種を放出してイク事は、俺の下での敗北を意味するのだぞ。
お前は俺に股がられた屈辱の格好で、お尻に入りきらなかった子種を、雄の象徴に垂らして敗北する未来を、自ら望んでいるのか?
なぜだ、ユキト!
「ナツキの中で起こしてね♪」
まさか、俺は………
シルバーリベリオンたる、この俺が………
ユキトの策略に、はまってしまったのかァァァーッ!!
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