174 / 288

Ⅵ【ファウスト】第34話

(つるぎ)を再び、その手に……」 足下に跪く。 「俺は、あなたの騎士。あなたの剣」 右手を恭しく取って、手の甲に口づける。 揺れた栗色の髪 双玉に宿る琥珀の光が刹那に射貫く。 鼓動は捕らえられた。 キスを落とされた手が熱い。 血脈がざわめく。 懐かしくて、あたたかい……声 「銀の叛逆者(シルバーリベリオン)の騎士・テンカワ アキヒト。 剣となって、主君(あなた)をお迎えに参りました」

ともだちにシェアしよう!