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Ⅵ【ファウスト】第35.5話 (おまけ+) 前編

《おまけ+》 - You must not wear this. 〔君 はきたまふことなかれ〕前編 - ………どうしよう。 上は軍服に着替えた。 問題は下だ。 ………このまま、はいてしまおうか。 「統帥、なにやってるんですか?」 「……えっ」 「ズボンです」 「ズボンがどうかしたか?」 「脱がないんですか。ズボンはいたままじゃ、ズボンはけないでしょ」 「……あぁ」 作戦は失敗だ。 ズボンの上からズボンをはく。 クッ、いけると思ったのに。 アキヒトの目はごまかせなかった。 ズボンをはくには、ズボンを脱がねばならないのかッ! だが、俺には…… ズボンを脱げない理由がある。 ……………………ビキニパンツ……なのだ。 お尻が紐の……………… そもそも俺は捕虜のΩ お着替えなんか持ってない。 替えのパンツは、ユキトから借りざるを得なかった。 俺がはいているのは、ユキトの勝負パンツだ。 ………………ピッチピチのパープルの紐パン 正確には、ピッチピチではないな。 ユキトのだから。 はき心地は締まっているが、ピッチピチとまではいかない。 ユキトがはくと、ピッチピチになるのだが。俺では~…… べ、別に悲しくないぞ! 体格差だ。 アソコの差じゃない! 「統帥、まだですか」 「あ、あぁ。分かってる」 「早く着替えないと、フェロモンに侵されて統帥を襲っちゃいますよ?」 ここは人の出入りのない密室だったため、外よりもフェロモン濃度が低い。 とはいっても、部屋に入った際にフェロモンも流入している。空気中にフェロモンがない訳ではないのだ。 長く吸えば、βのアキヒトは発情してしまう。 「ガスマスク付けろよ」 「嫌です。付けたらキスできないでしょ!」 ………………は? アキヒトがガスマスクを付けない理由は、それ~★ 「さっさと付けろー!」 エロ騎士がァッ 「統帥が着替えたら付けますから」 ………………着替え終わるまで、どうしても付けたくないんだな。 「アキヒト、後ろを向いていろ」 「嫌です」 「なぜだ?」 Ω解放軍 統帥の命令だぞ。 「統帥がズボンを後ろ前逆にはかないか、見守っています」 「~~~」 なぁ、アキヒト…… 「俺は子供かッ!」 「俺、ロリコンじゃないです。成人男性だから見たいんじゃないですか!」 ………本音が出たな。 このエロ騎士がァッ 「あっ、統帥だから見たいのか♪」 どっちでもええわっ! 「男同士なんだから♪いいでしょ。着替えて、着替えて」 お前の『男同士』はほんと、都合いいな? ………俺、脱ぐのか。 せめてっ。 小学校の体育の水泳の時に使った、ゴム付きタオルさえあれば!! そうだ。 ゴムの入ったタオルだ。 ゴムで止められるから、両手が使えて楽々♪ タオルを巻いて、てるてる坊主状態に変身すれば、タオルが落ちる心配もない。 あのタオルさえあれば、アキヒトに下着を見られる事なく着替えられるものをッ 今の俺は、どんな最新鋭ジェネラルも要らない。 てるてる坊主タオルが欲しい…… 小学生の俺よ。今の俺に、てるてる坊主タオルを届けてはくれまいか? そしたら俺がコーチして、クロールで25m泳げるようにしてやるよ。 安心しろ。 まだお前は25m泳げないが、絶対泳げるようになる! あの頃の俺は、淡い桜色だったんだよな…… チョコレート乳首と呼ばれるなんて、夢にも思わなかった…… ……って★ んな事、どうでもええわっ!

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