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Ⅵ【ファウスト】第47.5話 (おまけ+)①
《おまけ+》
- The gas mask and The machine gun
〔ガスマスクと機関銃 ~H一等兵の考察~〕① -
銃を構えた俺は、誰にも知れず息を吐いた。
ガスマスクの下で。
良かった……
撃たずに済んで……
制止を受けた俺は、ほっとしている。
撃ちたくなかったんだ。
あのΩ……
今はシキ夫人だった。
あれだけシキ一尉から愛されて大事にされていたのに、副総理に乗り替えたのは頂けないが。
悪い奴ではないからな。
副総理の隣で銃を構える俺は、α-大日本防衛軍の一兵率。
普段はα専用機《タンホイザー》の整備をしているが、一兵率に休息はない!
マルク艦内に侵入した不審者の探索と警備に今は駆り出されている。
皆は、俺の事なんて覚えていないと思うけど。
俺は先月、一等兵に昇格したばかりのハラダだ。
俺の名前が誰が呼ばれないのは、存在感が薄いからじゃない。
ガスマスクを装着しているため、誰が誰だか分からないからだ。
足音と共に遠ざかる背中を見つめる紺碧の眼は、なにを思っているのか……
俺如きには計り知れない。
戦艦マルク 最高責任者 シキ副総理
日本国の事実上の実権を握る政治家にして、弟の恋人を口説き落とし、一夜にして妻にしてしまった魔性の男……
今朝の朝礼で、上官より通達を聞いた時は驚いた。
海上の要塞と呼ばれるマルクで、結婚発表があるなんて!
副総理の奥さんは、弟の恋人
《ローエングリン》のデュナミス砲 炸裂だ★
電撃婚……だよな~
政治家って、政財界の有力者のご子息Ωと結婚するものだと思ってたけど。
シキ夫人は捕虜Ω (※旦那の弟の元恋人)←ここ重要
………………ハッ!
もしかして、結婚せざるを得ない事情があるのかッ
例えば………………
できちゃった……とか~
そうだ!
きっと、そうに違いない!
昨夜、修羅場が繰り広げられていたんだ。
こんなふうに…………
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「……ユキト、ちょっといいかな?」
「どうしたの?ナツキ」
「話があるんだ」
「それは種付けよりも大事なこと?」
「……うん、種付けよりも大事なんだ」
「酷いよ、ナツキ!俺の種よりも大事なものをつくるなんてッ」
▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽
……おそらく、こうだな。
こうして、シキ一尉とΩは別れたんだ。
……………………そんなに簡単に別れるだろうか?
ピッチピチ勝負パンツの一尉だぞ。
ピッチピチ ビキニパンツでΩとの初夜を心待ちに張り切っていた一尉が、こうもあっさり別れる訳ない気がする。
……後ろが紐で、お尻丸見えだったもんな~
俺が言うのもなんだが。まぁ、一尉のケツ形いいし。自信があるのだろう。
……特にΩは喜んでなかったけど。
ピッチピチは萌えねーよな。
巨根アピールの自己満足だ。
(一尉、ド天然だ……)
言っちゃ悪いが、あのピッチピチ……俺は絶対はきたくない!
Ω、よく耐えたぞ。
着替えがないとはいえ……
一尉のピッチピチパンツおそろではいて、頑張ったな。
▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽
「ナツキ……もしかして見惚れてる?」
「……うん、ちょっと。俺、おっきいのが好きなんだ♪」
「知ってるよ。ナツキの事で知らない事は、俺にはないよ」
「……じゃあ、ユキト!俺が1.4cmなのは知ってるか?」
「小さいね。小さいナツキが俺は好きだよ♪」
「そう思ってくれるのか。ありがとう。俺、がんばって大きく育てるよ!」
「どれくらいになるの?」
「んー……最終的には50cmくらい」
「見栄張り過ぎだよ。ナツキのデカマラなんて見たくないな。ちっちゃいナツキが可愛いんだから♪」
プシュー
「頭から湯気出して倒れてろッ!」
「痛ッ、急に殴るなんて~」
「お前が変な事言うからだろっ」
「変じゃないよ!1.4センチのおちんちんなんて可愛いじゃないか!ナツキらしくて♪」
「あほかッ、平常時でももっとあるわッ!」
「ナツキは1.4cmでいいんだよ」
「よくない!ここ触れ!」
「……ありのままでいいんだ。
ナツキのは小さいから、お臍まで反り返らせるのは幾らなんでも無理なんだよ」
プシュー
「いい加減、ソコから離れろッ!そうじゃないわ。お腹!お腹の中に1.4cmの命が宿ってるんだ!」
「……もしかしてっ」
「医務班に診てもらったら……もうすぐ3ヶ月だって……」
「ほんとに……すごいよ!ナツキありがとう!」
「ユキト、この子の父親になってくれるか?」
「もちろんだよ!この子は俺とナツキの愛の結晶、だよ………………あれ?」
「どうした?ユキト」
「俺、種はゴムの中に出したよね?」
「うん。生暖かいユキトのお汁、ゴム越しに頬っぺたにスリスリしてくれたろ」
「……じゃあ、その子の種は誰?」
「………」
「それに、もうすぐ3ヶ月って。計算が合わない」
「………」
「酷いよーッ!!ナツキィィィ~~!!」
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こうして一尉とΩは別れたんだな、うん。
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