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Ⅵ【ファウスト】第57話

「俺の嫁に触るなよ、愛人」 「ハ?お前だって、愛人だろう!」 ユキトを睨む琥珀の眼が冷たい。 ブラックダイヤの鋭利な双眼が、アキヒトを()めつけている。 バチバチッ 見えるよ…… 二人の間で火花が散っているのが、はっきりと。 俺を挟むなーッ! ユキト、アキヒト やるんなら、ほかでやれー! そもそも。原因の一端は俺にあるのかも知れないが、しかし。 まだ俺は、ハルオミさんと正式に離婚していない。 現状どうしようもないんだ。 (……俺、悪女だ) 雄だから悪男。 悪Ωか…… 「ナツキハーレムだね」 俺のせいなのかッ★ 冷ややかなブラックダイヤの視線が、俺を見据えた。 やめろ!その目っ じと目で見るな! 「自信がないなら出てけば?愛人。ハーレムだろうが、統帥の一番になる自身、俺にはあるから」 アキヒトっ ハーレムじゃない! あと、自信だ、『自信』! お前の『自身』は、エッチで挿れるやつッ♠ 「え、一緒でしょ。俺、統帥が咥えて離さない『自身』になる『自信』ありますよ♪」 ややこしいわーッ! 変な言い方するなーッ! 「とにかく!」 「とにかく!」 ユキト? 「愛人ッ、ナツキは……」 「愛人ッ、統帥は……」 アキヒト? 「お前に渡さない!!」 「お前に渡さない!!」 チュッ♥ チュッ♥ ………………なんだ? この生暖かい感触は? サラリと揺れた黒髪と、栗色の髪 ふわりといい匂いがして、くすぐったい。 あぁ、二人の髪が俺に触れているからだ…… 気づいたら、二人の横顔がすぐ間近にあって…… 右の頬に、ユキトの唇が……… 左の頬に、アキヒトの唇が……… 吸いついている。 チュウッ♥……って~~ 俺ェェェェーーッ★ ユキトとアキヒトに、右と左、両側の頬っぺたキスされている~~~!!!

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