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Ⅵ【ファウスト】第57.5話 (おまけ+)②
《おまけ+》
- Romantsch hört nicht auf .
〔ロマンチックが止まらない〕② -
………………
………………
………………
プシューができない!
………………
………………
………………
俺の手
ユキトに右手を
アキヒトに左手を、ぎゅっと握られている。
プシューができない!!
腕を振り上げようとするけれど、ダメだ。
二人の握力が強い。
ユキトっ。お前、手を離せよ!
アキヒトに今、対抗心燃やすな。
方向が間違ってるぞ。
「皮剥きがいる統帥の雌しべ、ほんとにモンキーバナナみたいですね♪」
俺のはジァイアント・キャベンディッシュだと言ってるだろう~ッ
あと雌しべじゃなくて、雄しべだッ
「そばかすがシュガースポットみたいで可愛い。統帥のモンキーバナナ♪」
「~~~」
……悪意を感じる。
モンキーバナナ付け加える必要性あるか?
「ジャイアント・キャベンディッシュ!」
「もうっ、統帥ってば~(♪)」
ジャイアントなのっ!
『(♪)』やめろっ!
嗚呼 っ、プシューできないのが、これ程のストレスだとはー!
………………ちょっと待て。
このままいくと……
アキヒトに剥かれてしまうっ!
俺のジャイアント・キャベンディッシュがーッ★
「待て!アキヒト!」
「待てません♪」
指がジッパーを下ろしにかかった。
ギャ~~ッ!
俺ッ、絶体絶命だァァァーッ!
「……愛人。俺の『島バナナ』に触るなよ」
ユキトが………………
喋ったー!!
つか、おい。
島バナナってなんだ?
沖縄産バナナだな。
モンキーバナナより、ちょい大きいが、あんまり変わらないな💢
大体、俺のバナナは俺のもの。
お前のバナナじゃない。
斜に構えたブラックダイヤが、涼やかに俺を射貫く。
「お前のバナナは俺のもの。俺のバナナはお前のもの」
『俺のバナナは俺のもの』ちゃうんかいっ!
ややこしいわッ
カッコつけるな!
掻き上げた髪の狭間から視線を流して カッコつけたって、お前の言ってるのは、男性器の隠語だからな。
指の間から、黒髪がこぼれた。
ブラックダイヤの玲瓏が、不意に微笑んた。
俺だけに……
漆黒の視線がそっと絡む。
ユキト………
お前が俺のバナナを、アキヒトの魔の手から守ってくれるというのか。
ありがとう。
お前に任せるよ!
「愛人。ナツキの島バナナは、既に収穫済みだ」
「なに言ってる」
「島バナナは、俺とおそろのピッチピチ ビキニパンツの中に収穫したんだよ」
島バナナ言うなーッ!
ジャイアント・キャベンディッシュ、つってんだろーッ!
ピッチピチ ビキニパンツも言うなー!
Ω統帥 シルバーリベリオンの下半身が、ピッチピチ ビキニパンツなんて……恥ずかしいわ~~
「統帥!脱いでください、早くッ」
ギャー♠
容赦なく、アキヒトが俺の下半身を脱がせにかかる。
なんで?
どういう事だ?
「そんな物はいてたら、モンキーバナナが腐ります!!」
モンキーバナナ言うなーッ!
ジャイアント・キャベンディッシュ、つってんだろーッ!
「ギャー♠」
ジッパー下ろされるっ
ユキト、なんて事してくれたんだっ
俺のジャイアント・キャベンディッシュか、白日のもとにさらされてしまう。
このままでは★
「………ジャイアントじゃないのがバレてしまうッ」
「えっ」
「えっ」
ユキト、アキヒト
なに驚いてるんだ?
「とっくに知ってるよ」
「とっくに知ってますから」
やかましいわっ!
ジャイアントの夢を見させろ!
「~~~」
……クッ。いつもなら、プシューなのに。
鉄槌を落とせない。
ユキトとアキヒトに、右手と左手をしっかりと握られている。
「腐る前に脱ぎますよ!」
「ギャー♠」
腐らない!
神話の時代から、ピッチピチ ビキニパンツで、ジャイアント・キャベンディッシュが腐ったなんて前例はない!
片手で器用に、俺の腰……ベルトのバックルを外す。
アキヒトに脱がされてしまう。
………そうだ!
アキヒトが、俺の下着から興味を失えばいいんだ。
俺が、ユキトとおそろのパンツをはいているのが気に入らないんだから……
「アキヒト。俺、ユキトのパンツはいてないよ」
「………………え」
アキヒトの手の動きが止まった。
そうだよ、それでいい……
余多の戦場を生き抜いた我が智謀に平伏せ、アキヒト!
「じゃあ、統帥は誰のパンツをはいてるんですか?」
お着替え持って、マルクに潜入した訳じゃないから。……気になるよな。
「………」
「………」
「………」
「………」
「ハルオミさんのパンツ」
ごめん、ハルオミさん。
妻を助けてくれ。
夫のパンツを借りた事にさせてくれ。
バナナ(※ジャイアント・キャベンディッシュ)を守りたいんだ。
バナナの誇りを守るのを手伝ってくれ!
「どんなパンツですか?」
そこ、気になるんだ。
選択を間違えるな。
ピッチピチ ビキニパンツだなんて答えたら、アキヒトが見たがるのは、火を見るより明らかだ!
そうだ……
ここは、アキヒトが最も興味のないパンツにしなければ……
アキヒトが興味を失う、ハルオミさんのパンツ……
ハルオミさんのパンツ……
ハルオミさんのパンツ~~~
「………」
「………」
「………」
「………」
「…………………………ブリーフ」
ごめん!!ハルオミさん!!
〈切なさは(フー)止まらない〉
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