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Ⅵ【ファウスト】第65話

「通信室ゥーッ!」 『はっ、ジャンヌダル……シキ夫人。こちら通信室です!』 「全部聞こえている!」 『本当ですかっ。……おい、皆、聞いてくれ!ジャンヌダルク様が、俺達と一緒に喜んでくれてるぞ!』 『おっしゃー!』 『俺達のオルレアンの乙女だー!』 『マルクの聖女様ー♥』 「俺はァァーッ!」 待て。 待つんだ、俺。 今ここで、こいつらを怒鳴ったら……せっかく高揚した士気が下がる。 士気の低下は、今後の戦局を左右する。 俺はシルバーリベリオン 策略によって勝利を収める神の手を持つ、戦場の貴公子だ。 勝利への布石をみすみす捨てるな。 ………耐えるんだ。 耐えるんだ、俺……… 『ジャンヌダルク様?』 「💢~~~」 『如何なさいましたか?我らがオルレアンの乙女?』 「💢💢~」 耐えろ、耐えるんだ…… 深呼吸! 吸って~吐いて~ 吸って~吐いて~ 「俺も…………」 『聖女様も?』 「💢…………嬉、し、い、ぞ~」 『俺達もです!この戦い、絶対勝ちましょう』 『勝てます!』 『俺達が勝ちます』 『ウォォオオオーッ!!』 ………良かった💢 ますます士気が高揚した💢 『但し!』 しん……… 水を打った静寂が、通信室を包む。 「俺の性別は雄だァッ!この事を忘れるな!!」 『もちろんです!聖女様!』 『ウォォオオオーッ!!』 『ジャンヌダルク、万歳!!』 『オルレアンの乙女、万歳!!』 『マルクの聖女様♥バンザーイ!!』 『勝利の女神!バンザァァーイ!!』 『ウォォオオオーッ!!!』 分かってないなァッ♠!!!

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