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第9話
次の日、日が明けたのか明けていないのか。いつものように三国より早く目覚めた江坂は三国の横顔を見つめていた。
少し無精髭が生えた顔。この寝顔も大好きなのだ。
幸せを噛み締めるようにちゅっとキスをした。もう癖になっている秘密の口付け。嬉しくってずっと三国の顔を見つめているといきなり目が開いて、こちらを見たのだ。
「!?」
「なぁ…いつもみたいに言ってくんねぇの?」
「いつも…?」
しばらく考えて、キスの後でいつも囁いていたあの言葉だと気づく。いつも届けと思っていた言葉。
真っ赤な顔で、起きている三国に囁く。
「…大好き」
すると三国は満面の笑顔で答えたのだ。
「俺も大好き」
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