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a little tipsy!

もう飲み始めてから大分時間が経っていて、二人ともいい感じに酔いが回り始めていた。高瀬はさっきのセリフが自分でも恥ずかしかったのか、誤魔化すように酒を呷ってからグラスが空になるのが早まった気がする。 「おい、今日はやけにハイペースじゃないか?まだ飲み慣れてる年齢でもないんだからあんまり飲み過ぎると身体に障るぞ。」 俺がそう言うと高瀬は、 「ふふっ。だぁいじょうぶですよぉ。相変わらず人の心配ばっかりしてぇ。」 と、グラスの中の氷をカラカラ言わせながら上機嫌に答え、そのまま残っていた酒を飲み干した。 そういえば高瀬の様子が飲み始めた時から変わり始めている。いつもは適度にきちんとした態度を崩す事はないが、今は顔がかなり赤くなっていて、姿勢や話し方もほとんど崩されたものになっていた。 「そろそろお開きにするか、もういい時間だしな。」 「えぇー、もうちょっとだけ一緒がいいですぅー。」 「何言ってんだ、お前も暇ってわけじゃないだろ?タクシー拾って送ってやるから。お会計すんぞ。」 そう言って足早に店を出て、ときどきふらつく高瀬の身体を支えつつ、適当に止めたタクシーに乗り込んだ。

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