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a little tipsy!
「おい、とりあえずお前んちまで送るから住所教えろ。」
後部座席に並んで座る高瀬に話し掛けてみるも、すでに窓側に身体を預けて眠っていた。その寝顔にはまだ微かに幼さが残っていて、一瞬微笑ましいようなくすぐったい気持ちになる。
が、それより問題はこいつをどうするかである。寝息が深く、そう簡単に起きそうもない。
考えあぐねていると、運転手が俺達の様子を急かすように見つめている事に気付き、俺は急遽予定を変更して、自分の住所を伝えた。
タクシーが俺の家に向かっている間も、高瀬は眉間に寄せて「んぅ……」と唸ったり、むにゃむにゃと口を動かしたり落ち着かない様子である。
心配になり、大丈夫かと声をかけながら肩をぽんぽんと軽く叩くと、今度は身をよじりながらこちらに身体を向けて、頭を俺の方に預けた。そして俺の肩に額を擦り寄せ、身体に腕を回し、甘えるようにぴたりとくっついたあと、満足したようにまた寝息をたて始めた。
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