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第15話
遠くなっていく総悟の足音を聞きながら、ドアの前でへたりこんだ。
全身の力が抜けてきて、坐ることさえやっとだった。がたがたと震える唇が目じりから流れてくるものを受け止める。つらくて冷たくて、なのに総悟が触れたところはどこも熱を帯びていて。
慰めようと触れたらそこも溢れていて。
「さよなら、総悟…」
終わらせると決めたのに、もう二度と会わないと誓ったのに、どうしようもなく思いが零れて、総悟の手の平を思い出して泣きながら吐精した。
「さよなら」
こんなに涙が流れたのは、あの日以来だった。
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