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第28話

―12月11日(月曜日) 神戸拘置所 「やっと、会えたな」 「ほんまに。この透明のカベ、めっちゃ邪魔やわ、もう」 ナオトは面会室の透明な仕切りをどんと叩いて担当の刑務官に睨まれる。たったの3か月半だというのに、もっと長い間会ってなかったような気がした。 髪を短く切り揃えたナオトは、より一層幼く見えた。 「ねえソウゴ」 「うん?」 「まだ『好き』って言われてない」 「好きや、ナオト」 「嘘つき……」 「……」 「ねえ」 「なに」 「おまわりさんの制服着たソウゴに犯されたいよ」 「莫迦」 面会時間はまだ残っているのに、ナオトはもういいです、と言ってばいばいと手を振った。 もう二度と、面会には来ないで欲しいというナオトからの手紙を弁護士から受け取ったのは、俺が会いに行った3日後のことだった。 情状酌量の余地が認められ、殺人未遂ではなく傷害罪として扱われた。求刑は懲役4年、ナオトは上告しなかった。

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