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第4話 出逢い(4)

「お弁当温めますか?」 「いや、結構です」  帰り道、コンビニに寄って弁当や飲み物、菓子などを購入した。自炊は得意ではないので、コンビニにはしょっちゅうお世話になる。  とはいえ食べる弁当には限りがあるので、何軒かあるコンビニを定期的に変更して、飽きないように気を遣う。  身体に悪いとよく言われるが、腹が満たされればいいのだ。それに自慢ではないが、滅多に風邪を引いたり体調を崩したりすることはない。丈夫さが取り柄だ。 「ありがとうございましたぁ」  間延びした店員の声を聞きながら、コンビニを出ると、目の前には行きも通り過ぎた公園がある。  来た道を戻るように、また公園へ足を踏み入れていく。そしてしばらく歩き、立ち止まった。 「あんた、いつまでここにいるの? このままだと風邪引くか、運が悪ければ肺炎になりかねないよ」  コンビニで弁当と一緒に買ったビニール傘を開くと、いまだぼんやりと遠くを見ていた青年の前に立ちふさがる。  視界を遮られ、雨が降り止んだことで、停止していたなにかが動き出したのだろうか。  彼はゆっくりと顔を上げて、見下ろす自分を見つめた。  横顔から見ても、その顔立ちのよさはよくわかったが、真正面から見るとさらにそれが際立って見えた。  整った眉、くっきりとした二重、茶水晶を思わせる瞳、高い鼻筋に程よく厚みのある唇。それらがバランスよく、顔の中に配置されている。  あまりにも整っているので、少しばかり人形のようだと思った。 「行く当てがないならうちに来る?」  子供の頃からよく生き物を拾ってくる子だと、親に呆れられた。それは三十路を過ぎたいまでも変わらず、よく犬猫を拾っては里親捜しなどをしたものだ。  さすがにここまで大きな、生き物を拾うのは初めてだが、無視して通り過ぎることができないのだから、仕方がない。 「ついておいで」  綺麗な茶色い瞳はじっとこちらを見つめる。返事はないけれど、言葉は通じているのだろう。彼は座り続けていたベンチから立ち上がった。  傘を差し出すとそれを受け取り、歩き出すと後ろをついてくる。なんだか大型犬を一頭拾ったような気分だ。

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