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第70話 熱情(4)
舌を絡め取られると、繋がっている部分がじわじわと熱を帯びてくる。さらに強く揺すられれば、身体が痺れるような気持ちよさに包まれた。
何度も突き動かされているうちに、肌がざわめいて、気持ちがどんどんと高ぶってくる。
内側から湧き出てくる、感情が怖くて両手を伸ばしたら、その手をベッドに強く縫い止められてしまった。
「リュウ、あっ、ぁっ、……んっ、はぁっ、ぁっ、ぁっ」
先ほどまでの緩やかさとは裏腹に、激しく腰を突き動かしてくるリュウは、ひどく興奮しているのか、何度も首筋に噛みついてくる。
その痛みすら、いまは身体を疼かせた。なんだか自分の身体が、自分のものではないような気分になる。
「や、ぁっ、あぁっ……ひ、ぁっ、ぁっ」
揺さぶられる身体が、ガクガクと震える。頭がふわふわとしてきて、なにも考えられない。それでも繋がった部分だけは、熱を持ち、彼の昂ぶりをきつく締めつけているのがわかる。
もう身体は限界まで追い詰められているというのに、くわえ込んだそこは、彼の熱にしゃぶりついているかのようだ。
「リュウ、もう、むり、溶けそう。ぁっ、やぁっ」
「だったら、溶けて一つになればいい」
「あぁっ、リュウ、だめ、いやだ」
まっすぐな視線をこちらへ向け、真剣な表情を浮かべるリュウは、何度も激しく身体を突き上げてくる。
その動きに身体が押し上げられるが、彼はそれを両手で引き留めて、さらに奥底まで燃えたぎるような欲情を埋め込む。
ひっきりなしに漏れる声は甘ったるく、やめて欲しいと言いながらも縋りついているようにも思えた。けれど与えられ続ける快感に、もう意識が半分飛びかかっている。
再び首筋に噛みつかれた感触がしたけれど、痛みはほとんどなくて、上り詰めていく感覚だけが身体を痺れさせた。
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