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「ほれ、持ってけ。明日は大地(だいち)空也(くうや)の弁当の日だもんな。どうせ幸恵(ゆきえ)ちゃんにおかずさらって来いって言われて来たんだろ。嫁に頭が上がんない子作り王め」 「さすがゆりかごからの親友よ。その通り」  笑いながらパックの入った袋を受け取った巧は日向にも大きく笑いかけ「ヒナちゃん、なんか事情があるみたいだけど、こいつで良かったら頼ってみな。無愛想だけどハートはおでん並みにあったかいから」そう言い残して帰っていった。  そして残されたふたりきりの空間に降ってくる沈黙を、逸也は思案顔で受け止めた。

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