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「で、どうすんの?」
逸也の低い声は、そんな意識はないのに相手に威圧感を与えてしまうこともあるものだから、できるだけ優しく発したつもりなのに、日向はビクリと肩を震わせた。
「ガラスの弁償どころかごちそうになった代金も持ち合わせていなくて……。でも必ずお返ししますから。約束します」
「いや、そういうことじゃなくってさ」
そんなこと頭になかった。そういえばタクがちゃんと猫田の親父さんに見積り頼んでくれてるといいんだけど。あいつは嫁と子供で頭いっぱいになるとすぐ他のこと忘れるからな。
「これからどうすんの? って話。いくとこないんだろ?」
「あ、……でも、なんとかなります。ってか、します。住み込みですぐに働けるとこ探します」
「すげー危なっかしいな、お前。住み込みってパチ屋の店員とか新聞配達とか? あんま勧めねぇな」
「そんなこと言われても」
ムスッとつぐまれた口元と、負けん気の強そうな目力と。若さゆえの無知と無鉄砲が合わさったらどうなることか。
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