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昼時の波がおさまって遅い昼食をとったあと、日向はポイント三倍ゲットの旅へ出掛けることになった。渡されたお札と一緒にチラシメモを財布へしまう日向を見て、逸也は心配そうな顔をする。
「大丈夫ですよ。ちゃんと買ってきますから」
「あーなんか、はじめてのおつかいを見守る親の気分。お守りとか持ってく?」
「三歳児じゃないしっ。パッと買ってタッと戻ってきますから」
「どっかのガラス窓ぶっ壊すんじゃないかってお父さん心配」
「……っ! しませんよっ」
「冗談抜きで駅向こうに行く道、わかってる? 駅ん中は通り抜けできないからな。あー、そうだ、これの地図アプリ使え」
逸也が尻ポケットから自分のスマホを引っこ抜くのを見て、日向はうんざりとため息をついた。
「スマホくらい俺だって持ってますから」
「あら、そうなの? いじってるとこ見たことないから。そしたら連絡先交換しろ。道に迷ったら電話してこい」
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