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「冷たい。脱ぎたい」  そんな日向の様子も知らずに、逸也は濡れたデニムのボタンをおぼつかない手ではずそうとしている。けど酔っぱらいなわけで。 「ひーなーたー」 「わかったからっ。手ぇどけてっ」  なるべく直視しないよう、手早くボタンをはずし脚から引き抜く。上半身と同じように、無駄な肉のない筋肉質の長い脚に薄く生えたすねの毛が色っぽくて。うっかり視線を上げてしまえば、こんもりとした重量を包んだボクサーパンツが目に入り、日向は慌てて目をつぶった。 「脱げましたよっ。風邪引くから寝間着着てとっとと寝てくださいっ」 「ひーなーたー」  お化けみたいに両手をつきだした逸也は、自力でベッドに行く気がゼロらしい。

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