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心頭を滅却すれば火もまた涼し――――。日向は息を止めて逸也をベッドへ放り込んだ。薄明かりに妖しく浮かぶ半裸から目を逸らして「寝間着は自分で着てください」と言い捨てる。
「素肌にシーツって気持ちいんだよなぁ」
「勝手に風邪でもひけ変態っ。……って、ぅわ!」
いきなり手首を捕まれて、日向はコロリと逸也の隣に転がり込んだ。裸の胸がすぐ目の前にある。
「日向確保っ!」
「ちょっとっ! なにすんですかっ酔っぱらいっ!」
両足をぐっと絡まされ布団をかぶせられたら、ふわりと逸也のにおいがする。健やかさの中に少し雄が混じったような香りにくらりとしてしまい、あらぬ場所が反応しそうな日向はジタバタ暴れて脱出を試みた。
「やっやめっ……、苦し……」
「バカめ。学生時代の俺はプロレス研究会所属だぜ」
スリーパーホールドをキメられて日向は白目を向いて抵抗をやめた。っていうか、本当に死ぬからそれ。
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