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 いくら活躍の場がないからといって、従業員に手を出すのはマズイだろ。しかも男だ。そしてまだ子供に毛の生えたようなやつだ。薄そうだけど。 「でも、ヤレそうな気がするのが恐いよな。あー、けどアイツ童貞っぽいよな」  スーパーマグナムを見下ろして呟き、いかんいかんと頭を振った。両手で頬をバチリと叩いて不埒な頭と心を覚まさせる。  台所で物音がしたのは、日向もいつも通りに起きているせいか。包丁を使う音に頬が緩んだ。腹へった。 「うーっす」 「あ、おはようございます」  テーブルにつくと湯気のたったお椀が差し出されて思わず顔を見つめてしまう。 「なんですか?」 「あ、いや、コーヒーじゃないんだな」  日向はプイとそっぽを向くと、自分の分をよそってテーブルに置き、背を向けて小鍋をかき回す。ふわっと優しい香りが台所に広がった。 「二日酔いにはみそ汁って聞いたことあるから」

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