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逸也はそんな日向のねじれた感情を知る由もなく「疲れてたんだろー。日向は人見知りなのに子守させられちゃったしなぁ」なんて言う。
駅前で散々待たされご立腹だったあかねが、チビッ子たちの登場で瞬時に機嫌をなおして連れていってくれたのはパンケーキの店で。
可愛らしくデコレーションされたパンケーキに子どもたちは大喜びし、幸恵はみんなの分まですべて写真を撮り、あかねのおしゃべりは店を出るまで途切れることがなく。
疲れた。けれど楽しかった。でも少し落ち込んだ。
チビッ子ふたりは逸也にとてもなついていて、ギャーギャー言いながらも楽しそうだった。子ども好きなんだと思う。
日向も施設では年下の子どもたちの面倒をみてきたけれど、正直いってただの義務感で世話をしていただけで、特別可愛いとも思わなかった。でも大地と空也の天真爛漫さには、曇ったこころを洗い流してくれるような癒しを感じてしまった。
子ども好きな逸也にしたらあのふたりとの時間は日向はなんかと過ごすよりずっと楽しいのだろうし、そう考えれば再婚して新しい家族を持つ可能性は大きいだろう。
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