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「俺を、好き?」
カーッと顔面に熱が集まる。日向は自分を思って身体中をまさぐっていた。逸也に抱かれる妄想をして。
抱ける。つうか、抱きたい。
「あー、やべぇ。抱けるならさぁ、これはもう嫁だろう」
そんな言い方をすれば日向はきっと「俺は男ですよ。嫁とか、バカじゃないの」なんて言うだろう。唇を尖らせて。頬を少し赤くして。
愛しい。
そんな日向への気持ちが心から溢れて下半身に溜まっていく。即物的な情動に逸也は苦笑しながら、熱をはらんだスーパーマグナムに手を伸ばした。
ジャマなジャージを脱ぎ捨てて、膨らみを隠しきれないボクサーパンツに右手を差し込む。日向の痴態を思い出すとマグナムの重量がぐんと増した。
そのとき。階下からゴトンという不審な物音がした。「空巣かっ」と逸也は右手を引っこ抜き、階段めがけて突進した。
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