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「こんなド変態店主に雇われているかと思うと泣けてくる」
「こんなド変態店主に抱かれてアンアン鳴いてるくせに」
「なっ、鳴いてないしっ! くそセクハラ変態店主っ! やっぱ俺、休憩もらいますっ」
馬鹿馬鹿しいやり取りをしているところにチビッ子を連れた幸恵がやって来た。空也は日向の顔を見たとたん「ヒナちゃん、ホットケーキはいつ?」とまとわりついてくる。
「ちょうどいいや。日向、ダイとクウのおやつ作りにいってやれ」
大はしゃぎのチビッ子たちに手を引かれていく日向を見送って、逸也は大きく伸びをした。雨上がりの空は突き抜けるように澄んだ青色だ。深く深呼吸したついでに体の中のモヤモヤを追い出そうと、肩と首のストレッチをしてみる。ぐるぐる首を回すと、視界の隅に白いバンが見えた。見慣れない都心ナンバー。
「……おい」
高見沢ではないかと一歩踏み出したとたん、車は団地方面へと去っていった。空巣騒ぎを知ってチャンスとばかりに営業をかけているのだろうか。そうでなかったら。
「いやいやいや、つまらん嫉妬は男の恥だ」
ちょうど買い物客がきたことで、頭は自動的に惣菜店主へと切り替わった。
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