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「夜回りとかいろいろ……、なんの役にも立てなくてごめんなさい」
「あら、珍しくしおらしい」
「珍しくって失礼な。いつも控えめに健気さ丸出しで生きてるつもりですけど」
「控えめで健気なやつが店主を変態よばわりはしねぇと思うけどな」
「間違えました。いつも控えめで正直に生きてます」
「おめぇなぁ」
クスクス笑いながら頭をグシャグシャかき回されて、こんなふうにまたじゃれあえることが出来るなんて。当たり前にやり取りしてきた些細なことが、こんなに嬉しいなんて。
「役に立つどころか、日向はトキタの主戦力だろ。お前のおかげでトキタが若返ったって言われてるんだからな」
「そんな……」
思いがけない言葉に、胸が熱くなった。シャツをつかんだ指先が震えるほど、このひとが好きだ。だから。
「だったら店名変更ですね。ツムラ惣菜店。結構しっくりきますね」
「減らず口を叩いてんのはどの口だ」
自分がいつもされるように、日向の頬をムニムニつまむ逸也の瞳が見おろしている。
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